せんじょうひふえん

線状皮膚炎

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

線状皮膚炎とは、アオバアリガタハネカクシと呼ばれる虫によって引き起こされる皮膚炎を指します。虫の毒であるペデリンに触れてから数時間後にヒリヒリとした痛みが出現し、徐々に発赤や水ぶくれが生じます。毒に触れた際は、流水で洗い流すことが大切です。線状皮膚炎を生じた際には、皮膚の炎症を抑えるためのステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬などが使用されます。

原因

アオバアリガタハネカクシと呼ばれる虫には「ペデリン」と呼ばれる毒が含まれています。ペデリンには、皮膚の細胞に含まれるタンパク質やDNAを損傷する作用があるため、毒に接触することで皮膚障害が生じます。

アオバアリガタハネカクシを手で潰す際などに、皮膚に毒素が付着することで線状皮膚炎が引き起こされます。ドアノブやタオルに付着したペデリンに触れることでも発症することがあります。また、アオバアリガタハネカクシは、畑や川などの湿潤環境に見られます。

症状

ペデリンに触れた後、数時間ほど経過してから皮膚症状が引き起こされます。ペデリンに触れた部位がヒリヒリと痛み、時間経過とともに発赤や水ぶくれが生じます。皮膚病変はやけどにも似ており、線状の形態をとることから「線状皮膚炎」の名がつきました。

線状皮膚炎を発症すると、皮膚のバリア機能が損なわれます。そのため、病変部位に細菌感染が生じて治癒が遅れることがあります。

ペデリンによって結膜炎などを生じることもあるため、ペデリンが付着した手で目をかくなどの行為を避ける必要があります。

検査・診断

線状皮膚炎では、比較的特徴的な皮膚症状が生じるため、特別な検査をしなくても、経過や症状などから診断できることがあります。

また、診断には、発症前に畑や川などの湿潤環境で時間を過ごした、アオバアリガタハネカクシと思われる虫に接触した、などの情報も重要です。皮膚科を受診した場合、これらにより多くは診断がつきます。

治療

毒に触れた際には流水で洗い流すことが重要です。結膜炎などを生じることもあるため、ペデリンが付着した手で目をかくなどの行為は避ける必要があります。

線状皮膚炎を生じた際には、皮膚の炎症を抑えるためのステロイド外用薬が使用されます。かゆみを抑えるために、抗ヒスタミン薬などのかゆみ止めが使用されることもあります。細菌感染の合併が疑われる際には、抗生物質の使用も検討されます。

 

予防

アオバアリガタハネカクシを不用意に潰すなど、毒に触れるような行動をとらないことが大切です。アオバアリガタハネカクシの毒は死骸であっても活性を持っているため、注意が必要です。

その他、虫の生息が疑われる場所には入らない、生息地域に赴く際には皮膚の露出を避ける(長袖や長ズボンの着用など)、といったことも大切です。

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