概要
老人性紫斑とは、加齢によって血管や周囲の組織がもろくなり、ちょっとした外力をきっかけとして手や足、顔面などに内出血が生じる状態です。
加齢現象のひとつとして生じるものであるため、繰り返すことはありますが、重篤な合併症をきたすようなことはありません。
しかし、あざが現れる病気は老人性紫斑以外にも多くあるため、他の病気が潜んでいないか調べることが大切です。
原因
加齢現象として、血管や血管を保護する周囲の組織が弱くなることを原因として発症します。血管は本来ある程度の弾力性があり、また、周囲を組織によって覆われることで外部刺激から守られています。
しかし、加齢とともにこれらの保護作用が低下し、ちょっとした外力でも容易に出血を来すようになります。このような反応は年齢によって生じるものであり、ある意味生理的なものであるといえます。
症状
手足や顔など、あらゆる場所に紫色から青色のあざが出現します。周囲の正常な皮膚とあざの境界は比較的明瞭であり、同時期に複数箇所にあざが見られます。
老人性紫斑で見られるあざは、時間経過とともに消失することが期待できます。ただし、加齢を原因として発症するため、あざが些細な外傷、打撲をきっかけに再発することも、まれではありません。
また、擦れた刺激だけで出現することもしばしばみられます。皮膚症状以外に重篤な症状を引き起こすことはありません。
検査・診断
年齢や皮膚の症状などから診断されます。軽微な外力、もしくはきっかけがない状態であざが出現する疾患は、老人性紫斑以外にも数多くのものが知られています。
皮膚症状以外に症状がないかどうかを詳細に評価し、血液検査(血小板数、出血時間、凝固機能など)を中心とした検査を追加することで、他の重篤な疾患が潜んでいないかどうかを検索することは重要です。
治療
出血を来すような他の疾患が存在せず、老人性紫斑であることが判明した際には、特別な治療はせず経過観察を行うことになります。
内出血なので塗り薬は効かず、自然に吸収されるのを待つしかありません。加齢現象のひとつとして生じるものであるため、経過中にあざが出現したり消失したりを繰り返すことも少なくはありませんが、重篤な合併症を来すことはありません。
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