治療
保存療法
肩石灰沈着性腱炎の症状は、手術を行わない保存療法により軽快することがほとんどです。
非常に激しい痛みが現れている発症後まもない症例に対しては、痛みの除去を目的とし、腱板に注射針を刺して沈着した石灰を吸引する方法がとられることがあります。
このほか、以下のような保存療法が行われることがあります。
- 安静:三角巾などの固定器具を用いて患部を固定し、安静にします。
- 投薬:非ステロイド性消炎鎮痛剤(内服薬)が処方されることがあります 。
- 滑液包内注射:水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔薬を滑液包内に注射します。
手術
亜急性型や慢性型の肩石灰沈着性腱炎では、沈着した石灰が非常に硬くなり、治療後に激しい痛みが再び現れることもあります。また、肩関節を動かしたときなどに、硬く大きな石灰が周囲の組織と接触してしまい、痛みや炎症が消失することなく持続する例もあります。
このような場合には、石灰沈着を摘出する手術を検討します。手術は、可能な限り出血や傷あとが小さくなるよう、関節鏡と呼ばれる内視鏡を用いて行われることが多くなっています。
リハビリテーション
激しい痛みなどの症状が軽快したあとには、以下のようなリハビリテーションを行います。
- 温熱療法:ホットパックや入浴などにより患部を温める
- 運動療法:拘縮(関節周囲の筋肉などが収縮し、関節の動きが制限されること)を防ぎ、筋肉を強化する目的で行う
など
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