はいほうびせきしょう

肺胞微石症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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原因

肺胞微石症において、微石が蓄積する原因は、SLC34A2と呼ばれる遺伝子に異常が生じるためです。SLC34A2遺伝子は、細胞内のリン酸の濃度を調節するために重要な役割を果たすタンパク質と大きく関係しています。このタンパク質は身体中の細胞に広く分布していますが、特に肺のなかに存在する「Ⅱ型肺胞上皮細胞」において多数みられます。

Ⅱ型肺胞上皮細胞は、サーファクタントと呼ばれる物質を産生する働きを持っています。サーファクタントは界面活性剤の一種であり、呼吸運動に一致した肺の形態学的な変化(肺が膨らんだり、しぼんだりといったもの)を容易に行うことができるようにする働きを持っています。サーファクタントはリン酸を含む脂肪成分から構成されており、リン酸の濃度がⅡ型肺胞上皮細胞において適切に調整されていることが求められます。

SLC34A遺伝子に異常が生じてしまうと、サーファクタントを産生するⅡ型肺胞上皮細胞を中心として機能障害を起こします。サーファクタントにはリン酸が多く含まれる関係性から、リン酸を多く含む物質が肺胞内に蓄積することになり、結果として肺胞微石症が発症します。

肺胞微石症は、SLC34A2遺伝子の異常によって発症する病気であり、常染色体劣性遺伝と呼ばれる遺伝形式をとります。この遺伝形式は、両親共に病気の保因者となります。お子さんが病気を発症する可能性は、理論的には25%です。また病気の症状を呈さないまでも病気の保因者になる可能性は50%であり、残りの25%は発症者でもなく保因者でもない状態となります。
 

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