たんのうてきしゅつごしょうこうぐん

胆のう摘出後症候群

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

胆嚢摘出後症候群とは、胆石(たんせき)胆嚢炎(たんのうえん)などの手術後に腹部の症状が現れることを指します。頻度は報告によりさまざまですが、胆嚢摘出術を受けた方の5~40%に一過性あるいは慢性に症状が現れるといわれています。 ただし、このような症状はほかの臓器に起こる病気でも頻繁にみられるため、胆嚢摘出に起因したものかどうかしっかりと見極める必要があります。

原因

胆嚢摘出に起因する上腹部痛は十二指腸乳頭(胆汁の出口)の筋肉であるOddi括約筋(おっでぃかつやくきん)の機能異常や手術後の組織癒着が原因であると考えられています。また、胆嚢摘出後症候群は、遺残結石や胆道損傷、胆道運動障害が原因となることもあります。

また胆嚢摘出後、十二指腸内に過剰に胆汁が分泌され小腸での吸収が追いつかず大腸まで到達することにより、下痢が誘発されることがあります。

症状

胆石や胆嚢炎などの手術後に腹部の症状が現れます。主に以下のような症状が現れます。

  • 一過性あるいは慢性に持続する上腹部痛、違和感
  • 黄疸(おうだん)(皮膚や粘膜が黄色くなる)
  • 吐き気
  • 下痢

など

ただし、このような症状はほかの臓器に起こる病気でも頻繁にみられるため、胆嚢摘出に起因したものかどうかしっかりと見極める必要があります。

検査・診断

血液検査で胆道系酵素の上昇や炎症の有無などを調べます。さらには腹部超音波検査、腹部CT検査が行われることもあります。

遺残結石の有無を調べるためにMRCP検査やERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)の適応も考慮されます。胆道運動障害を評価するために放射線同位元素を用いたシンチグラフィーが行われることもあります。

胆道に異常がみられない場合には、胃や十二指腸、大腸などの疾患を併発している可能性を考慮し、内視鏡検査など適切な検査が追加となる場合もあります。

治療

それぞれの原因により治療法は異なります。

遺残結石が総胆管内に認められた場合は内視鏡的に採石術が行われます。非常に小さい微細結石が問題となる場合はウルソデオキシコール酸が有効です。

また食生活の改善、特に脂肪食制限が有効な場合があります。胆汁は脂肪の吸収を助ける酵素なので摂取する脂肪量を制限することで分泌される胆汁の量を抑えることができます。

胆汁性下痢に関してはコレステロールの吸収を抑える薬が有効です。 胆道損傷、他臓器との癒着が疑われる場合には再手術が行われることがあります。

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