原因
胆のうの壁は、内側の浅い部位から深い部位にかけて、粘膜そして筋にて構成されています。粘膜上皮が筋肉層にまで入り込むことがあり、Rokitansky-Ashoff洞と呼ばれる構造物を構成することもあり、複数個同時期に発生することもあります。なかでも、胆嚢壁1 cm以内にRokitansky-Ashoff洞が5個以上存在し、壁が3 mm以上に肥厚したもののことを胆のう腺筋症と定義されています。この定義から判るように、胆のう腺筋症の形態学的な特徴して、「分厚くなった胆のうの壁」を挙げることができ、画像検査で確認することが可能です。ただし、壁が分厚くなるのみでは症状を引き起こすことはありません。
胆のう腺筋腫症は病変の部位や広がりから、びまん型、分節型、底部型の三つに分類されています。びまん型では胆のう全体の壁が分厚くなる状況であり、分節型は胆のうの頚部や体部に全周性の壁の肥厚をきたし、内腔が狭くなっている状態です。そして底部型では、病変部位が胆のうの底部に限局することになります。
なお、Rokitansky-Ashoff洞の中には胆汁が入り込むことがあり、胆汁が濃縮されることから石灰化や胆石の温床になることもあります。その結果、胆石・炎症による腹痛や発熱、嘔吐などの症状の原因となりえます。また、胆のうがんとの関係性が疑われることもありますが、明確なコンセンサスは得られていない状況です。ただし、胆のうがんの併発を除外することは、その後の治療方針決定には必要不可欠です。
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