リスク
胸腔ドレナージで重い合併症が起こることは多くないとされています。その一方で、胸腔内には肺や心臓、大きな血管などの生命維持に関わる臓器が存在すること、ドレーンの先端を常に観察しながらの挿入が困難であることから、安全管理が重要な処置といわれています。
起こり得る合併症としては、肺などの臓器や血管にドレーン先端の針が刺さることによる損傷(出血など)のほか、胸痛、感染症などが挙げられます。ドレーンがねじれたり、ずれたり、血栓で詰まった場合には、再度の留置が必要となる場合もあります。また、急速に体液を抜き取った場合などには、肺に液体がたまることもあります(肺水腫)。
胸腔ドレーンによる臓器や血管の損傷を避けるためには、患者の胸腔の状態を画像検査などで正確に把握したうえで、ドレーンを適切な位置から適切な方向に挿入すること、挿入後に画像検査を行うこと、取り除いた気体や液体を確認することなどが重要とされています。
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