治療の経過
胸腔ドレナージを行う際は、通常、入院が必要となります。また、ドレーンの留置を行う前に、患者の胸腔の状態を確認するためにCTなどの画像検査を行います。
留置を行う際は、患者は通常、腕を上げた状態で横になります。皮膚を消毒し局所麻酔を行った後、小さく皮膚を切開し、針とドレーンが一体になった排液用のカテーテルを胸腔内に挿入します。カテーテルが胸腔内の目的の箇所に到達した後に針の部分だけを引き抜くことで、ドレーンだけを留置することができます。目が覚めた状態で処置が行われることが一般的ですが、鎮静薬が使用されることもあります。
ドレーンの挿入が完了したあとは、胸部X線検査などでドレーンの位置に問題がないかが確認されます。なお、カテーテルの片方の端は吸引器につながれています。
胸腔ドレーンを留置した後は、数日間は痛みが生じますが、時間の経過とともに軽減します。ドレーンが外れないように活動の制限が生じることがあるほか、入浴も制限されます。ドレーン留置中は、バイタルサインや呼吸状態などの確認に加え、胸痛や感染症などの合併症の徴候がみられないかを注意して観察されます。
気体や体液が十分に排出され、全身状態に悪化がなく、X線検査などでも異常がみられなければドレーンが抜去されます。胸腔ドレーンを抜いた後は、数時間経過したのちに再度X線検査を行い、胸腔に気体や液体がたまっていないかが確認されます。
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