概要
脱色素性母斑とは、白あざの一種を指します。出生時にはっきりしていることもあれば、幼児期にさしかかる頃に明らかになることもあります。
脱色素性母斑は、メラニンと呼ばれる皮膚の色素を産生する細胞が先天的に異常を来すことで引き起こされます。美容的な観点からの問題以外には大きな障害を来さないため、必ずしも治療が必要とされるわけではありません。
原因
脱色素性母斑は、メラニンと呼ばれる皮膚の色素を産生する細胞(メラノサイト)が先天的に異常を来すことで引き起こされる病気です。異常なメラノサイトは褐色調の色調を与える色素がうまく作れなくなっており、その結果として皮膚の色が白く変化します。
メラノサイトの数が少なくなることもあれば、メラニンを作る能力が低下していることもありますが、いずれの場合でも皮膚の色が白く抜け、脱色素性母斑が生じます。
症状
出生時に皮膚の色が一部白く抜けている場合があります。しかし、皮膚の症状は、出生時に明らかではないこともあり、年齢を経てから初めて認識されることもあります。この場合、多くは3歳頃までに明らかになりますが、それよりも遅いこともあります。
皮膚の色調が薄くなる脱色素性母斑は、体幹を中心に見られます。しかし、それ以外にも手足や腕など体のあらゆる場所に生じることがあります。一か所のみに皮膚症状が出現することもあれば、複数か所に見られることもあります。
これら脱色素性母斑の症状は基本的には年齢とともに変わるものではなく、大きさや数、分布状態などは一定です。見た目に周囲の皮膚とは少し異なって見えることから、整容的観点から支障を生じることもあります。
検査・診断
脱色素性母斑は、皮膚の変化を詳細に観察することで診断されます。皮膚の色が白くなる病気には脱色素性母斑以外にも、尋常性白斑、サットン母斑、真菌感染症などが存在します。そのため、皮膚症状が拡大傾向にないこと、生まれつきみられること、などの情報も加味しつつ診断を行います。
診断に迷う際には、皮膚の一部を採取して顕微鏡で特徴的な変化を確認することもあります。
治療
脱色素性母斑は、整容的観点からの問題以外に大きな障害を来すものではないため、必ずしも治療が必要となるわけではありません。
整容的問題に対しては、皮膚の色が白く抜けている部分を服装でカバーする、化粧を用いて周囲の肌色と目立たなくする、などの対策をすることがあります。尋常性白斑で使用されるような紫外線療法は、さほど高い効果を得られるものではありません。
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