治療
角膜上皮幹細胞疲弊症は薬などで治すことはできず、根本的な治療のためには角膜移植が必要となります。多くは亡くなった方から提供された角膜を使用しますが、拒絶反応が生じることも珍しくなく、さらに全国的に献体数が不足していることが大きな問題となっています。
現在、日本国内での角膜上皮幹細胞疲弊症発症者は年間1,000人程度と推定されていますが、治療を受ける機会がないまま視力の低下が進行してしまうケースも多くなっています。
そこで近年、患者自身の口の中から採取した上皮の細胞を培養したものを用いた角膜再生に応用する治療が広く行われるようになりつつあります。
さらに2019年には世界で初めてiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作成した角膜上皮細胞の膜を移植する治療が大阪大学で行われ、今後のさらなる改良と普及が期待されています。
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