そくていけんまくえん

足底腱膜炎

最終更新日:
2021年12月16日
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2021/12/16
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概要

足底腱膜炎(そくていけんまくえん)とは、足底腱膜と呼ばれる足の裏に存在する腱膜が炎症を起こした状態のことです。

足底腱膜は足底のアーチ構造(いわゆる土踏まず)を支えており、足にかかる衝撃を吸収するクッションのような役割を果たすほか、吸収した衝撃を逆に蹴り出す際のエネルギーとして活用する役割をしています。しかし、足底腱膜炎が生じると衝撃が吸収されにくくなったり、蹴り出すときの力のバランスが悪くなったりするため、歩く・走るなどの動作がしにくくなります。

一時的によくなっても再発することが多く、走るなどのスポーツをするほど症状が強く出る場合もあります。進行すると手術が必要になることもあるほか、通常どおりの運動ができずスポーツや日常生活が制限されることもあるため、早めに治療や対策を行うことが大切です。

原因

足底腱膜に負荷が生じることによって炎症が生じます。

足底腱膜に負荷がかかる動作としては、陸上競技・球技などのスポーツや長時間歩き続けること、立ち続けることなどが挙げられます。また、自分の足に合っていない靴を履いていたり、硬い道路などでトレーニングをしていたりする場合も足底腱膜に負荷がかかりやすくなります。

そのほか、足の筋力が乏しい場合や柔軟性が乏しい場合、扁平足(へんぺいそく)外反母趾(がいはんぼし)など足に変形がある場合にも足底腱膜に負荷がかかり、足底腱膜炎の原因となることがあります。

症状

足底腱膜炎は、(かかと)を中心として足の裏に痛みが生じます。痛みは、階段を上るときや、つま先立ちをするときに強くなるといわれています。また、足の筋肉がこわばっている状態から足を動かすときにも痛みが強くなる傾向があります。たとえば、朝寝起きで初めて歩く際、長時間座った状態などから急に歩く際などにおいて痛みを感じやすいです。この場合の痛みは、踵の下側からつま先に向かって痛みが広がります。

このような症状は、運動をし始めたときに感じますが、次第に軽くなります。しかし、運動をする時間が長くなると再び痛みが強くなることが一般的です。重症化すると、歩けないほど強い痛みに発展することもあります。

検査・診断

足底腱膜炎が疑われる場合、医師による足の診察で診断が行われます。足底腱膜と踵の骨が接地した部分を押して痛みが生じるときや、立ったり、歩いたり、走ったりするときに痛みが現れるときには足底腱膜炎が疑われます。

ただし、診断には神経や筋・腱の病気など、ほかの病気との鑑別が大切です。そのため、場合によっては超音波検査やX線検査、MRI検査などの画像検査が検討されることもあります。

進行した足底腱膜炎ではX線検査で踵に骨が(とげ)状になった踵骨棘(しょうこつきょく)が見られることもありますが、これ自体が診断の決め手になることはありません。

治療

足底腱膜炎の治療では、保存的療法(手術を行わない治療)や手術療法が行われます。

まず足底腱膜への負荷を減らすために、運動を一定期間休む、または運動量を調整することが大切です。続いて、痛みの緩和を目的として、非ステロイド系の消炎鎮痛剤の内服薬や外用薬を使用することがあります。ほとんどの場合は、数か月程度で痛みが緩和されますが、痛みが強く出ている場合は衝撃波を用いた治療が行われることもあります。また、筋肉の柔軟性を高めるためにストレッチ運動を行うことも治療の一環として重要な役割を担います。

このような保存的治療で効果が現れない場合などには手術が検討されますが、保存的療法で改善することが一般的です。

セルフケア

足底腱膜炎を疑う痛みが生じた場合、最低でも1週間は激しい運動を避け、安静に過ごすことを心がけましょう。

また、痛みが強い場合は1日2回、10〜15分程度痛みの強い部位を冷やしたり、消炎鎮痛薬を使用したりすることも効果的です。靴を履く際は自分の足の形に合った物を選び、インソールを入れるなどして足底腱膜にかかる負荷を和らげる工夫をしましょう。

予防

足底腱膜炎はスポーツによる足の使いすぎによって生じることがあります。そのため、練習量や練習内容を調整することを心がけましょう。足の筋力や柔軟性の低下も、足底腱膜炎の原因となりえます。そのため、日頃からストレッチを行うことを心がけ、スポーツの前には念入りにストレッチを行うことが大切です。

また、自分の足に合わない靴を履いている場合にも足底腱膜に負荷がかかりやすいため、靴選びも重要です。着地する際の衝撃を和らげるために、クッション性の優れた靴を選ぶことも検討しましょう。

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