概要
青色母斑とは、青あざの一種として認識されるわずかに隆起する皮膚の色素病変のことを指します。顔や手など見える部分に生じることもあり、美容的な観点から問題となることがあります。
また、大きなものの場合は、悪性化が懸念されることもあります。そのため、悪性黒色腫をはじめとしたメラニン色素を伴うそのほかの疾患との鑑別が必要とされることがあります。
原因
青色母斑は、メラニンと呼ばれる色素を有する青色母斑細胞が増殖することを原因として発症します。皮膚の構造を詳しくみると、表面の浅いほうから順に、表皮、真皮と深くなっていきます。青色母斑では、皮膚の中でも深い部位に相当する真皮において、青色母斑細胞が増殖することで生じます。
青色母斑は、出生時にみられることもあれば、成長の過程で出現してくることもあります。しかし、なぜ青色母斑が生じるかという明確な原因については、これまでのところ明らかにはなっていません。
症状
青色母斑は、皮膚に生じるわずかに隆起する青あざとして認識されます。まれではありますが、出生後から生じることもあれば、年齢を重ねるにつれて現れることもあります。特に思春期以降に生じることが多いです。
青色母斑で生じる青あざは、色調としては青色から黒っぽい色までさまざまです。1cm弱までの大きさであることもあれば、それ以上の大きさになることもあります。表面はわずかに隆起する一方で、盛り上がりを示したり潰瘍形成を伴ったりすることもあります。青色母斑は身体の至る所に生じることがありますが、顔や首、手、足などに多く見られます。
青色母斑は生じる場所によっては、美容的な観点から問題になることがあります。また、大きなものは特に、悪性化が懸念されることもあります。
検査・診断
基本的には、見た目の変化をもとにして診断されることが多いです。大きさや色、皮膚の盛り上がりなどを詳細に観察することが重要となります。また診断の際に、ダーモスコピーと呼ばれるルーペを用いて皮膚病変を観察することもあります。
状況によっては、悪性化が懸念されたり、そのほかの疾患との区別を要したりする場合もあります。確実に診断することを目的に、皮膚の一部を採取して顕微鏡で観察する病理組織検査が行われることもあります。
治療
青色母斑を治療するかどうかは、美容的に問題があるか、あるいは悪性化の徴候があるか、といった観点によって決定されます。治療の必要性がないと判断される場合には、特別な治療介入をせずに経過観察を行います。治療をおこなう場合には、切除術を含めた治療介入が検討されます。
また、サイズが大きい、見た目が変化してきたなどの場合には悪性化が疑われます。悪性と判断される場合にも、皮膚病変を切除することが検討されます。
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