がくこつしゅよう

顎骨腫瘍

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

顎骨腫瘍(がっこつしゅよう)とは、顎骨(あごの骨)に生じる腫瘍を指します。ひとつの病気を指す病名ではなく、良性腫瘍・悪性腫瘍を含めたさまざまな病気を含む疾患概念です。

腫瘍の組織系、部位、腫瘍の進展範囲(広がり)によって症状は異なり、治療方針も異なります。

なかには、自覚症状のないまま進行するタイプのものもあるため注意が必要です。

原因

良性腫瘍

良性の腫瘍としては、エナメル上皮腫、歯牙腫、歯原性粘液腫と呼ばれる歯を形成する組織が、その分化の過程に異常増殖を起こして発生する歯原性腫瘍が挙げられます。

一方、非歯原性腫瘍は通常、舌、口底部、歯肉、頬粘膜などの口腔内に発生しますが骨腫、軟骨腫、血管腫など顎骨に発生する腫瘍もあります。まれに悪性化することがあります。

その他、骨組織が線維性組織に置換、顎骨の無痛性膨隆、顔貌の変形をきたす線維性骨異型性症といった良性の骨疾患もあります。

悪性腫瘍

悪性腫瘍としては、扁平上皮癌、骨肉腫などが挙げられます。また、他部位のがんが顎骨に転移することもあります。

症状

顎骨腫瘍では、腫瘍の組織系や発生した部位によってさまざまな症状が現れます。

良性腫瘍は発育が緩慢(ゆっくり)ですが、発育するにつれて顎骨の内部から増大し、顎骨に無痛性の膨隆をきたすことがあります。

発育が緩慢な場場合自覚症状がないまま進行することもあります。歯科医院で撮影されたレントゲン写真により、初めて病気を指摘されることもあります。

また、腫瘍の増大によって歯が動揺したり、抜けてしまうこともあります。これにより歯ならびや噛み合わせに支障をきたすこともあります。

悪性腫瘍の場合には一般的には増大速度は速く、増大によって顎骨の破壊、疼痛、しびれ、出血などの症状が出現します。

また頸部リンパ節転移が生じると転移リンパ節の腫大(腫れ)、圧痛、硬結(硬くなる)が触診されます。

検査・診断

顎骨腫瘍では、レントゲン写真やCTなどの画像検査を用いて病変の部位や広がり、歯の状況を確認します。

また、原因の項目で記載したように、顎骨腫瘍では組織系が多岐に渡ります。実際にどのような腫瘍であるかを特定するために、病変の一部を採取して顕微鏡で検査をする病理学的検査を行います。

悪性腫瘍の場合には腫瘍の広がり、頸部あるいいは全身への病変の転移を確認するためにレントゲン写真のみならずCT、MRI、PET-CTなどの画像検査を行います。

また治療を行う際に既往歴、併存疾患の確認、血液検査、尿検査、心電図などを行い、全身状態の確認を行います。

治療

顎骨腫瘍の治療は、悪性、良性、あるいは腫瘍の部位や大きさによって方針が異なりますが、基本的には手術が行われます。

良性腫瘍の場合

良性腫瘍の治療は手術が基本となりますが、組織系、部位によっては特別な治療を行なうことなく経過観察となることもあります。

悪性腫瘍の場合

悪性腫瘍も組織系によって治療法が異なりますが、口腔癌に準じた治療を行います。手術が可能であれば手術を行います。

手術ができないくらい腫瘍が大きい場合、遠隔転移がある場合には化学療法、放射線療法などの治療法がありますが、治療法については、組織系、腫瘍の進展範囲、全身への転移、全身状態などを総合的に加味して決定されます。

顎骨腫瘍のタイプによっては、再発の可能性もあるため、治療が終了した後も、慎重な経過観察を受けることが重要です。

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