まやくちゅうどく

麻薬中毒

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概要

麻薬中毒とは、モルヒネなどのオピオイドと呼ばれる鎮痛薬やコカインと呼ばれる麻酔薬の乱用によって中毒の状態になったものをいいます。

麻薬は医療用としては強力な鎮痛薬として使われており、麻酔やがんの痛みのコントロールなどにおいて重要な薬物です。しかし、医療用ではなく違法行為として麻薬を楽しむために常用してしまうと、麻薬がもつ依存性のために麻薬がないと逆に不安やイライラといった禁断症状が生じてしまうようになります。

さらに、麻薬による精神作用を得るために必要な薬物の量がだんだん増えてしまい、ますます強い症状が現れてきます。

原因

麻薬中毒の原因は、文字通り麻薬の過剰かつ誤った使用です。よく、がんによる激しい痛みを抑えるために処方される痛み止めとしての麻薬を用いる患者さんにおいて麻薬の乱用や中毒が多い、などという誤解をされてしまうことがありますが、決してそのようなことはありません。

麻薬を必要としないにもかかわらず、娯楽や興味本位で麻薬に手を出す人にこそ、麻薬の乱用が多くみられます。 一方、麻薬だけでなくいろいろな薬を扱うことが多い医療従事者のなかに麻薬中毒に陥ってしまう人がみられることもあります。

症状

麻薬中毒の症状は、吐き気、不快感、便秘、意思疎通が取れにくくなる(意識障害)、自ら呼吸するのがおろそかになる(呼吸抑制)、心拍数が少なくなる(徐脈)、瞳孔が極端に小さくなる(縮瞳)といったものがみられます。

また、長期的に乱用していると、身体依存も精神依存も形成されてしまい、薬物乱用を中断すると身体的にも精神的にも重度の禁断症状が生じます。

検査・診断

麻薬中毒の検査は、尿検査でオピオイドを使用しているかどうかを判定する検査キットを用います。治療のためにオピオイドを使用している患者さんにももちろん陽性反応が出ますが、これは当然のことであり問題ありません。オピオイドを処方されていない方に反応が出た場合には麻薬の所持と使用が強く疑われてしまい、大きな問題となります。

そのほか、意識障害やバイタルサインが異常である場合には、全身の状態や臓器障害がみられていないかどうかを調べるために血液検査や全身のCT検査を行って、そのほかの病気がないかどうかを確認します。

治療

麻薬中毒の治療は、まずバイタルサインや意識状態に異常がある場合には全身管理を行います。そのうえで、オピオイドの拮抗薬であるナロキソンを使用して自発呼吸を促したり意識状態を改善したりします。

さらに、麻薬中毒の根本を治すために、長期的には薬物中毒の治療を行っている医療機関で治療プログラムを受けることがもっとも重要となります。