加味逍遙散

効果・効能

体質虚弱な婦人で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症：

• 冷え症
• 虚弱体質
• 月経不順
• 月経困難
• 更年期障害
• 血の道症

用法・用量

通常、成人の場合は1日2～3回に分けて服用します。服用のタイミングは、食前（食事の1時間～30分前で胃に食べ物が入っていない状態）または食間（食事の約2時間後）です。なお、服用する量に関しては年齢や体重、症状によって適宜増減します。

リスク

加味逍遙散を服用することで副作用が生じる可能性があるほか、ほかの薬を服用する際は飲み合わせに注意する必要があります。

副作用

発疹(ほっしん)や発赤(ほっせき)、かゆみなどが現れる可能性があります。これらの症状が現れた際は服用を中止しましょう。そのほか、食欲不振や胃の不快感、悪心・嘔吐、腹痛、下痢などがみられる場合もあります。

また、重大な副作用として低カリウム血症や血圧上昇、浮腫、体重増加などの偽アルドステロン症、AST（GOT）やALT（GPT）などの著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸(おうだん)が現れる可能性があるほか、低カリウム血症の結果として脱力感や四肢けいれん・麻痺などの症状がみられるミオパチーが現れることがあります。服用中は観察を十分に行い、異常がみられた場合は医師に相談しましょう。

そのほか、長期間の服用により腸間膜静脈硬化症が起こる可能性もあります。腹痛や下痢、便秘、腹部膨満などの症状が繰り返し生じた場合は医師に相談しましょう。

使用上の注意

胃腸が非常に弱い方は食欲不振や胃の不快感、悪心・嘔吐、腹痛、下痢などが現れることがあるほか、食欲不振や悪心、嘔吐の症状がある方が服用すると症状が悪化するリスクがあります。

また、加味逍遙散にはカンゾウが含まれているため、血清カリウム値や血圧値などに十分留意し、異常がみられた場合は服用を中止しましょう。カンゾウは芍薬甘草湯や補中益気湯、六君子湯などの漢方にも含まれます。生薬を摂取しすぎると思わぬ作用が生じる可能性があるため、ほかの漢方薬などを併用する場合は生薬の重複に注意しましょう。

また、サンシンが含まれた製剤を長期間服用（多くは5年以上）することによって、大腸の色調異常や浮腫、びらん、潰瘍(かいよう)、狭窄(きょうさく)を伴う腸間膜静脈硬化症が現れる可能性があります。長期間服用する場合は定期的に検査を行うことが望ましいため、医師に確認しましょう。

服用量については個人の体調などによって異なるため、医師や薬剤師に相談しましょう。

なお、服用中は経過観察を十分に行い、症状・所見の改善がみられない場合は服用の継続を避ける必要があります。また、妊娠中の方や妊娠している可能性のある方は服用により流産や早産を招く恐れがあるため、医師や薬剤師に相談しましょう。

成分

日局 サイコ
日局 サンシシ
日局 シャクヤク
日局 ボタンピ
日局 カンゾウ
日局 トウキ
日局 ショウキョウ
日局 ブクリョウ
日局 ハッカ
日局 ビャクジュツ