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ちのみちしょう

血の道症

最終更新日
2021年06月30日
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2021/06/30
掲載しました。

概要

“血の道症”とは漢方医学で用いられる言葉で、古来、種々の婦人病は「血の道症」と呼ばれてきました。血の道症は、月経、妊娠、出産、産後、更年期など、女性のホルモンサイクルに関連した全ての病態(精神神経症状、身体症状)を含有する概念です。西洋医学でいう月経前症候群(PMS)や更年期障害などの女性特有の病気を幅広く示し、通常は器質的な異常を伴いません。
“血の道症”は女性ホルモンの分泌が見られる思春期から閉経に至るまでの幅広い期間に現れ、特にライフイベントなどにより心身に大きなストレスがかかることで症状を引き起こしやすくなると考えられています。
“血の道症”で見られる症状は、ほてり、動悸、腰痛、頭痛、月経異常、不眠、不安など多岐にわたり、多くの場合複数の症状が見られます。

原因

“血の道症”は、漢方医学の“()(けつ)(すい)”の3つの要素の中でも、特に血の巡りが悪くなる“瘀血(おけつ)”が主な原因であると考えられています。“気・血・水”とは漢方医学で用いられる考え方で、これらの3つの要素が体内を正しく巡ることで健康が維持され、これらの流れが滞ったりバランスが崩れたりすることで、さまざまな不調をもたらすとされています。

血の道症は、西洋医学における月経前症候群(PMS)、更年期障害マタニティブルーズ、月経前不快気分障害(PMDD)、産褥うつ病などが該当するとされています。これらの病気の原因はそれぞれ異なりますが、多くは女性ホルモンの変動に社会的ストレスや生まれ持った気質が影響し合うことで起こると考えられています。そのため、身体症状と精神症状が同時に現れることもあり、症状も極めて多種多様であることが特徴です。

症状

“気・血・水”の3つの要素別に、それぞれ以下のような症状が起こるとされています。

気の不調によって起こる症状

不安、あせり、冷えやのぼせ、動悸、怒りっぽくなる、抑うつ、月経周期による気分の変化など

血の不調によって起こる症状

ほてり、冷えやのぼせ、便秘、肩こり、頭痛、しびれ、腹部の張りや痛みなど

水の不調によって起こる症状

頭痛、耳鳴り、めまい、不眠、むくみなど

検査・診断

漢方的な診断として四診(ししん)を用います。望診(ぼうしん)(顔色、表情、態度、姿勢、体型などを診る)、聞診(ぶんしん)(声の大きさ、話し方、咳や呼吸の様子などを聞く)、問診(もんしん)(自覚症状や既往歴、ライフスタイル、月経の様子などを聞く)、切診(せっしん)(体に触れて状態を観察する)の4つの方法で“気・血・水”や“証”(その人の体質、体力、抵抗力などの様子)を判断し、病気や治療法を決定します。西洋医学的な検査として、内診、子宮がん検診、超音波検査などで婦人科の器質的疾患の有無を確認し、血液検査で女性ホルモン値を測定することもあります。

治療

漢方医学的な治療と西洋医学的な治療があります。
漢方医学的な治療では、“気・血・水”や“証”に基づいて漢方薬が処方されます。
西洋医学的な治療では、ホルモン剤による治療を行うことがあります。更年期障害に該当すると思われる場合は、ホルモン補充療法によってエストロゲンを補うことで症状が改善することもあります。“血の道症”は精神症状を呈することも多いことから、抗不安薬や抗うつ薬といった薬が用いられることもあります。

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