小青竜湯

効果・効能

下記疾患における水様の痰、水様鼻汁、鼻閉、くしゃみ、喘鳴、咳嗽、流涙：

• 気管支炎
• 気管支喘息
• 鼻炎
• アレルギー性鼻炎
• アレルギー性結膜炎
• 感冒

用法・用量

成人の場合、1日2～3回に分けて服用します。服用のタイミングは、食前（食事の1時間～30分前で胃に食べ物が入っていない状態）または食間（食事の約2時間後）です。服用する量は年齢や体重、症状の度合いによって増減します。

リスク

小青竜湯を服用することで副作用が生じる可能性があるほか、ほかの薬を服用する際は飲み合わせに注意する必要があります。

副作用

発疹(ほっしん)や発赤(ほっせき)、かゆみといった症状が現れることがあります。これらの症状が現れた場合は服用を中止しましょう。また、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮など自律神経系の症状、食欲不振や胃の不快感、悪心、嘔吐、下痢、腹痛など消化器系への影響が生じる場合があります。そのほかにも、排尿障害などが起こることもあります。

さらに、重大な副作用として、発熱や咳、呼吸困難などの症状が現れる間質性肺炎、低カリウム血症や血圧上昇、浮腫、体重増加などが現れる偽アルドステロン症、また低カリウム血症の結果としてミオパチーが起こることがあるため、脱力感や四肢のけいれん、麻痺などの症状にも注意が必要です。

そのほかにも、AST（GOT）、ALT（GPT）、Al-P、γ-GTPの上昇などを伴う肝機能障害、黄疸(おうだん)が起こる可能性があるため、これらの異常が認められた場合には医師に相談しましょう。

使用上の注意

次に該当する方は、病気や症状が悪化する可能性があるため服用できません。

• アルドステロン症の方
• ミオパチーのある方
• 低カリウム血症のある方

次に該当する方は、これらの病気および症状が悪化する恐れがあり、服用の際に注意が必要です。

• 狭心症、心筋梗塞(しんきんこうそく)などの循環器系の障害、またはその既往歴がある方
• 重症高血圧症の方
• 高度の腎障害のある方
• 排尿障害のある方
• 甲状腺機能亢進症の方

また次のような方は、副作用が現れやすくなるなどの恐れがあることから服用に注意が必要です。

• 病後の衰弱期や著しく体力が衰えている方：副作用が現れやすくなったり、その症状が増強されたりする可能性があります。
• 著しく胃腸が虚弱である方：食欲不振や胃の不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が出る可能性があります。
• 食欲不振、悪心、嘔吐などの症状がある方：これらの症状が悪化する可能性があります。
• 著しい発汗傾向にある方：発汗過多や全身脱力感などが生じる可能性があります。

小青竜湯にはカンゾウが含まれているため、血清カリウム値や血圧値などに十分留意する必要があります。これらに異常がみられる場合には服用を中止しましょう。

カンゾウは芍薬甘草湯や補中益気湯、六君子湯などの漢方にも含まれます。生薬を摂取しすぎると思わぬ作用が生じる可能性があるため、ほかの漢方薬を飲む際は生薬の重複に注意しましょう。

なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には継続投与を避ける必要があります。また、服用量は個人の体調などによって異なるため、医師や薬剤師に相談しましょう。

成分

日局ハンゲ
日局ゴミシ
日局カンキョウ
日局サイシン
日局カンゾウ
日局シャクヤク
日局ケイヒ
日局マオウ