インタビュー

足のセルフケアで大切な5つのポイント―糖尿病のフットケア

足のセルフケアで大切な5つのポイント―糖尿病のフットケア
貴田岡 正史 先生

医療法人社団 明芳会 イムス三芳総合病院 内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センター センター長

貴田岡 正史 先生

菅野 一男 先生

かんの内科 院長

菅野 一男 先生

目次
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この記事の最終更新は2015年03月19日です。

厚生労働省の調査によれば、糖尿病患者の方は、潜在的な人数を含めると約2050万人いるといわれ、そのうち足に病変をきたす患者さんは1.5-10%(*1) いるとされています。糖尿病のコントロールが不十分な状態のまま長い時間が経つと、神経障害や血流障害をきたしやすく、その結果、足病変を起こしやすくなります。

足病変は重症化すると壊疽や下肢切断に至ることがあります。それらから足を守る、大切なケアがフットケアなのです。

セルフケアはフットケアの3要素のうちの重要な要素の1つであり、以下の5つのポイントが大切です。

足は蒸れやすく、洗いにくいため、不潔になりやすい部分です。足が汚れていると細菌が繁殖しやすくなります。もともと感染しやすい状態にある糖尿病患者さんは、小さな傷から容易に感染を起こしてしまいます。足を清潔に保つ習慣を必ず身につけましょう。

具体的には、できれば毎日、石けんを泡立て、丁寧に洗います。この際、皮膚を強くこすりすぎないよう、タオルは用いず、手の平でやさしく洗いましょう。特に、指の間は丁寧に洗うよう心がけてください。

糖尿病によって自律神経に障害が起きると、皮膚の発汗障害を招き、乾燥から亀裂に至るリスクが高まります。入浴後の保湿は特にしっかり行いましょう。病院から処方された保湿クリームを使うか、傷がなければ市販の物でも大丈夫です。

肥厚爪(ひこうそう)陥入爪(かんにゅうそう)などがあると周囲の組織が圧迫され、炎症を起こすことがあります。定期的に正しい形に爪を整えましょう。この際、深爪にならないよう注意が必要です。また、ご自分で爪切りを行うのが困難な場合は、そのことを相談しましょう。ヤスリの使い方を学んだり、看護師さんに爪を切ってもらうなどの方法があります。

裸足でいるよりは靴下をはいて、足を傷から守るよう心がけてください。神経障害があると足の知覚が低下し、足の異変に気づきにくくなります。糖尿病患者の方の場合、小さな傷も、重大な足病変につながりかねません。靴下は余分な汗を吸収し、細菌の繁殖も予防します。外へ出る時は当然ですが、家の中にいる時も、靴下をはいて生活しましょう。白や淡い色の靴下であれば、出血などの異常も確認しやすくおすすめです。

火傷も下肢切断に至る大きな要因の1つです。神経障害により感覚が鈍っている患者さんは、湯たんぽ、カイロ、こたつ、電気カーペットなどによる低温火傷や入浴時における火傷を起こしやすくなります。ご家族の方も注意が必要です。

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