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インフルエンザの潜伏期間はどのくらい? 発症前に気付くことは可能なのか

インフルエンザの潜伏期間はどのくらい? 発症前に気付くことは可能なのか
菅波 祐太 先生

揖斐郡北西部地域医療センター 副センター長、久瀬診療所 所長

菅波 祐太 先生

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この記事の最終更新は2018年06月14日です。

“潜伏期間の段階でインフルエンザに感染したかどうかが分かれば、人にうつすことも少なくなるのではないか”と思う方もいるでしょう。しかし、潜伏期間中、つまり無症状のときにインフルエンザに感染したことを知るのは難しいとされています。この記事では、インフルエンザの潜伏期間や兆候、潜伏期間中の検査などについて解説します。

インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスの潜伏期間は、1~4日とされています。平均すると約2日ですが、個人差が大きいです。

インフルエンザウイルスは、発症する1~2日前から潜伏しつつ増殖を始め、発症後1~3日に増殖のピークに達します。次第にウイルスは減少していきますが、発症してから5~7日後もウイルスはまだ体内に残っているといわれています。インフルエンザが流行する理由のひとつとして、まだ何も症状が現れていない潜伏期間のときから他の人に感染すること、解熱後も感染力が持続することが挙げられます。

潜伏期間とは、ウイルスや細菌に感染してから体に病気の兆候や症状が現れるまでの期間を指します。兆候や症状がないのが潜伏期間であるため、“潜伏期間中であるかどうか”を自分で知ることは難しいと考えられます。

一般的な検査は、インフルエンザを発症した人の鼻汁の中にいるウイルスを特殊な方法で検出することで行います。そのため、ウイルス量のごく少ない時期に検査をしても陽性の反応が出ず、感染していることが分からないことがあります。

まだ何も症状がない潜伏期間に受診したとしても、インフルエンザの検査が行われることはあまりないでしょう。検査を受けるのが早すぎてしまうと、インフルエンザにかかっていたとしてもウイルス量が少ないために陽性反応が出ないこともあるからです。

検査キットの種類にもよりますが、インフルエンザ検査の信頼性が高まるのは症状が現れて12時間経過してからといわれています。そのため、一般的には症状が現れてから12時間〜48時間以内に検査を受けることが望ましいとされています。

冬季などの流行期には、検査を行わずに医師による問診と診察で診断を行うことが可能です。検査キットに頼りすぎず、検査や治療の必要性を医師とよく相談することが大切です。特に、合併症が起きるリスクの高い方は検査を待たずに早めの治療が行われることもあります。

自分自身の潜伏期間も、他者の潜伏期間も知ることはできません。また、誰とも接することなく社会生活を送ることも難しいでしょう。完璧な予防方法はありませんが、流行前にワクチンの接種を済ませておくこと、栄養と休養を十分に取って普段から自身の体調を整えておくことが第一といえるでしょう。また、自身がインフルエンザや風邪にかかったかもしれないと思うときには、他の人にうつさないよう以下のようなことに気をつけて過ごしましょう。

  • 人との接触をなるべく避ける
  • よく手を洗う・洗うことが難しい場合は、手指のアルコール消毒を行う
  • 目、鼻、口にできるだけ触れない・マスクを着用する
  • 咳エチケットを守る(マスクの着用、ティッシュ・ハンカチなどで口や鼻を覆う、上着の内側や袖で口元を覆うなど)

また、何かしらの症状が体に現れた場合は、医療機関を受診することを検討しましょう。

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