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血液培養検査は、敗血症が疑われる場合に行われる検査です。
これらの病気が疑われる患者さんから採取した血液を細菌が増えやすい環境に置くことで、血液中の細菌の有無を確認したり、感染菌の種類を特定したりします。
通常、血液は無菌状態であり、血液中から細菌や真菌などの微生物が検出されることはありません。しかし、何らかの原因で血液中に微生物が混入し、増殖した状態を菌血症と呼び、さらに重篤な感染症状を示したものを敗血症と呼びます。
敗血症は体のどこかの臓器の細菌感染が重篤化した状態で、ときには普段健康な人が発症する場合もあります。敗血症は全身の臓器不全を引き起こす極めて重大な病気であり、敗血症をおこすと急な発熱や強い震え、意識の混濁などの症状をもたらします。
敗血症が疑われる場合はただちに感染を起こしている微生物の種類を特定し、抗生物質による適切な治療を開始する必要があり、血液培養検査によって血液中の微生物の様子が調べられます。
血液培養検査は、敗血症が疑われる場合に行われます。敗血症が疑われる症状としては、急な発熱や体の激しい震え、心拍数や呼吸数の増加、意識障害などがあります。
敗血症が疑われる場合は迅速な検査と対応が必要になるため、緊急で検査が行われることもあります。
しかし、血液培養検査の結果が出るまでには数日がかかることが一般的なため、ほかの症状や検査の結果から敗血症か否かが判断され、治療が始められることもあります。
緊急の処置を要する場合に行われる検査であるため、医師の指示に従って検査を受けるようにしましょう。
医師の判断に沿って検査が進められますので、検査を受ける人が心掛けるとよいことは特にありません。
検査は採血によって行われます。スムーズに処置が進めば、短時間で完了することが多いでしょう。
ただし、健康診断時の採血に比べてより丁寧な消毒や複数回の採血が必要になることもあります。採血針を刺す場合に痛みを感じる場合がありますが、一般的な採血時の痛みと同程度であると考えられます。
血液培養検査を行うと、血液中の細菌の有無や混入している細菌の種類を特定することができます。これらの結果は、医師から伝えられることが一般的です。
敗血症を疑ってこの検査を行った場合はこの検査の結果によって治療方針が立てられることがありますので、治療方針の説明を受ける際に検査結果を聞くこともあります。
敗血症を発症した場合、全身管理下での抗生物質の点滴治療が行われます。
血液培養検査の結果が出る前であっても、症状から敗血症の疑いが強い場合は幅広い細菌に有効な抗生物質により、これらの治療が始められることがあります。
血液培養検査で原因となっている細菌が特定できたら、その細菌に対する効果がより高い抗生物質に切り替えて、治療が続けられます。
血液培養検査は敗血症が疑われる状況下での一連の診断の中の一つとして行われることが多く、ほかの検査と並行して行われることがあります。敗血症が疑われる際に行われる検査には、血圧や呼吸状態の観察の他、血液検査による炎症反応のチェックなどがあります。
敗血症は極めて緊急性の高い病気の一つです。健康な人であっても発症する場合があり、疑わしい症状がみられた場合は、ただちに医療機関を受診して検査を受けることが大切です。
また、敗血症の治療は状態が落ち着くまで入院が必要になることが一般的です。治療が成功したとしても、場合によっては臓器の一部に後遺症が残ることもあるため、このような場合は長期的なケアが必要になります。医師と相談しながら、適切な治療を続けていくことが大切です。
本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。