“健康寿命”という言葉が注目を集めるようになりましたが、健康寿命は一体どのようなものなのでしょうか。 健康寿命とは何か、健康寿命をのばすために必要なことと、藤沢湘南台病院が行っている取り組みについて、病院長の山本裕司先生にお話を伺いました。
日本は世界でも有数の長寿国というのは多くの方が知るところですが、同時に2013年の段階で健康寿命も世界トップの国になりました。
2013年の時点で男性の平均寿命は80.21歳で健康寿命は71.19歳、女性の平均寿命は86.61歳で健康寿命は74.21歳です。つまり、男性は9.02歳、女性は12.40歳、平均寿命と健康寿命に差があることが分かります。
このように、医療の進化によってのびた平均寿命と、従来とそれほど変わらない健康寿命の間にギャップが生じたことで、“いかに長生きするか”だけでなく、“いかに病気に悩まされることなく健康に長生きするか”という問題が生じました。これは、医学の進歩によって登場した新たな課題としてとらえることができるでしょう。
平均寿命の延伸に医療技術の進歩が貢献したのと同様に、健康寿命の延伸に対する医療技術の貢献も期待されています。日本全体の健康寿命延伸のためにも、国内に偏りなく医療がゆきわたり、機能することが期待されています。
一般的に医療では、日常的な医療を行う1次医療、診療に比較的専門性が求められる2次医療、特殊な医療に対して先進的な医療技術で応じる3次医療の3つに分類され、各都道府県は、医療法に基づいて二次医療圏・三次医療圏を決定します。
藤沢市を南北に分けたとき、海側の南部が人口・面積に対して医療圏がカバーされているのに対し、当院のある藤沢市北部は人口に対してカバーすることはできても面積に対する急性期病院が不足しています。当院は3次医療を担う病院ですが、もし私たちが患者さんの受け入れを拒否してしまうと、この地域の医療は危機を迎えます。
当院が“人のために尽くす医療”をスローガンとしているのは、患者さんを断らない、この地域の医療を守るのは自分たちだ、という自負の表れでもあるのです。
これまで当院でも健康診断を行ってきましたが、より多くの方が受診しやすい環境を作るため、小田急線長後駅の駅前に健康診断・人間ドックを行う専門施設としてライフメディカル健診プラザをオープンしました。
この施設では主な検査項目を半日で行う2種類のコースと、2日間かけて全身の検査を行うコース、オプションとして個人的に気になる部位を重点的に検査するコースがあります。
個人による人間ドックの申し込み以外にも、企業が実施する企業健診も受け付けています。
人間ドックの価格の一例(2017年10月時点)
当院の敷地内に併設されているライフメディカルフィットネスは、健康増進を目的とした地域住民の方が数多く通われているフィットネスクラブです。
健康診断で運動不足を指摘された方や、生活習慣病改善を目的とした方、ロコモティブシンドローム(移動機能が低下すること)防止のため“貯筋”を行う方など、利用目的はさまざまです。
スポーツドクターや管理栄養士・トレーナーが、利用者の皆さんが自分のペースで目的を達成するためのお手伝いをします。
ライフメディカルフィットネスについて、詳しくはこちらからどうぞ
健康寿命をのばすことは、一朝一夕で達成できるものではありません。医療機関には地域住民の方に対してどのような医療を提供することができるのかが求められます。同様に医療を受ける地域住民の方にも、ご自身の健康に対する意識を持っていただくことも大切です。双方の体制が整ってはじめて、健康寿命の延伸はスタートするのです。
一般財団法人同友会 藤沢湘南台病院 病院長
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