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ロコモティブシンドローム

最終更新日
2020年10月21日
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2020/10/21
更新しました

概要

ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)とは、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念であり、年齢を重ねることによって筋力が低下したり、関節や脊椎などの病気を発症したりすることで運動器の機能が低下し、立ったり、歩いたりといった移動機能が低下した状態を指します。

ロコモ自体は病気ではありませんが、高齢化が進む日本ではロコモから寝たきりや要介護への移行を予防することに力が注がれるようになっています。また、ロコモに該当する高齢者は、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を併発しているケースが多いことが分かっています。ロコモによる運動不足が生活習慣病を悪化させるケースもあれば、重度な生活習慣病に起因する身体活動の低下がロコモを悪化させるなど、互いに影響しあって全身の機能低下を引き起こしていることも少なくありません。

そのため、ロコモはできるだけ早い段階で発見し、適切なリハビリテーションや治療を行うことが“健康寿命”の延伸につながると考えられています。

原因

ロコモは、移動機能が低下した状態にあることを指します。その原因は大きく分けて次の2つと考えられています。

関節、骨、筋肉など運動器の病気

変形性関節症骨粗しょう症脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)関節リウマチなど関節や骨に異常を引き起こす病気は年齢を重ねるごとに発症率が上昇します。これらの病気は痛みや腫れが生じるだけでなく、骨折や骨の変形などを引き起こし、その結果、正常な関節運動ができなくなることで運動機能の低下が生じるとされています。

筋力やバランス力など運動機能の低下や運動器に起こる痛み

正常な身体活動を行うための筋力やバランス力は加齢に伴って低下していき、それが運動機能の低下を引き起こすこともあります。また、筋力やバランス力の低下は転倒など思わぬけがをしやすくなり、それが原因で運動不足となることがさらにロコモを悪化させるケースも少なくありません。関節などに起こる痛みも運動不足の原因になります。

症状

運動器の病気がある場合は、その病気による症状が出現します。関節の病気では痛み・腫れ・変形を伴いますし、脊髄や末梢神経の病気では、痛み・しびれ・筋力の低下を伴います。運動器の病気があっても、骨粗しょう症サルコペニア(筋肉が減弱する疾患)では症状を伴わない場合もあるので注意が必要です。

移動機能が低下することで身体活動量が低下し、肥満などの生活習慣病になりやすいこと、認知機能が低下しやすくなることも問題となります。

検査・診断

ロコモかどうかの判定は3つのテストからなるロコモ度テストで行います。3つのテストは、どれくらいの高さの台から立ち上がれるかを測る“立ち上がりテスト”、大股で歩いた距離を身長で割る“2ステップテスト”、日常生活や身体機能に関する25個の質問票に答える“ロコモ25”からなっています。

これらの3つのテスト方法については、ロコモ チャレンジ!推進協議会のホームページで詳しく説明されています。これら3つのテストの結果によってロコモでないか、ロコモが始まっている段階のロコモ度1か、ロコモが進行している段階のロコモ度2か、ロコモがさらに進行して社会生活に支障をきたし自立できなくなるリスクが非常に高まっている段階のロコモ度3に判定されます。

対策と治療

ロコモであると判定された場合、筋力やバランス力など運動器の機能低下があれば筋力やバランス力のトレーニングが必要です。

また運動器の病気があれば、治療が必要です。特にロコモ度3と判定された場合は何らかの運動器疾患があり、その治療が必要な段階に至っていることが多いので専門医の診療がすすめられています。運動器の痛みやしびれには薬が有効です。

また、ロコモは肥満などの生活習慣病を併発しやすく、互いに影響しあって悪化するという負のスパイラルに陥るケースもめずらしくありません。ロコモに至った高齢者は、単に運動機能の維持・向上に力を入れるだけではなく、生活習慣病の予防や治療を行っていくことも大切です。

予防

ロコモが進行すると寝たきりや要介護に至る可能性が高くなります。また、高齢者になる前でもロコモが始まっている場合があり、健康寿命を延ばすためにはロコモかどうかを調べて、日ごろから適度な運動をして骨や筋肉、関節の機能を維持すること、筋肉や骨をつくるために栄養バランスのよい食事を心がけていくことが大切です。

さらに、ロコモになっていない場合でもロコモ度テストの性・年代別基準値と比べることで、自分の運動器の状態に気づき、運動器に衰えがあれば生活を変えるきっかけとすることができます。

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