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インタビュー

手首に痛みが生じるキーンベック病とは?

手首に痛みが生じるキーンベック病とは?
岩崎 倫政 先生

北海道大学大学院医学研究院機能再生医学分野整形外科学教室 教授

岩崎 倫政 先生

キーンベック病は、月状骨(げつじょうこつ)という手首の骨が、血行不全により壊死(えし)し、つぶれることで発生する疾患です。主な症状は手首の痛みですが、どのように疾患は進行していくのでしょうか。

北海道大学の教授である岩崎 倫政先生は、整形外科医として、キーンベック病の診断や治療に携わっていらっしゃいます。同大学の岩崎 倫政先生によると、疾患の進行を食い止めるには、早期受診が重要になるそうです。では、どのような症状が継続したら病院を受診したほうがよいのでしょうか。今回は、北海道大学の岩崎 倫政先生に、キーンベック病の概要についてお伺いしました。

キーンベック病とは、月状骨(げつじょうこつ)と呼ばれる手首(手関節)の骨が、血行不全により壊死(えし)し潰れるために、痛みや握力低下などの症状が現れる疾患です。

手首にある手関節は、手根骨(しゅこんこつ)と呼ばれる8つの小さな骨で構成されています。月状骨とは、この手根骨のなかでも下のほうに位置する骨を指し、手首が動くときに大きな役割を果たしています。

キーンベック病の原因は明らかになっていませんが、手を使用する頻度が高い方に多くみられる疾患であるといわれています。なかでも、大工など、手を頻繁(ひんぱん)に使用する職業の比較的若い男性に多い疾患であることがわかっています。

大工

しかし、女性や高齢者など若い男性以外の発症も確認されており、幅広い年代で発症する可能性があるといえるでしょう。

キーンベック病の典型的な症状は、手首の痛みです。疾患の初期には手首を動かしたときのみに痛みが発生していたような方でも、疾患の進行とともに、安静時にも痛みを伴うようになるケースが多いでしょう。

ほかにも、疾患が進行すると、関節の動きが悪くなったり、握力が低下したり、手首が腫れるなどの症状が現れることがあります。

キーンベック病は、現れる症状から疾患を特定することは難しく、他の手関節の疾患と混同されやすいといわれています。

なかでも、キーンベック病と混同されやすい疾患として、腱鞘炎(けんしょうえん)があります。腱鞘炎は、腱を束ねる腱鞘(関節の動きがスムーズになるよう調整するはたらきを担う組織)が炎症を起こすために、痛みや腫れなどの症状が現れる疾患です。手首に現れることが多いために、キーンベック病と混同されるケースがあります。

手首

キーンベック病と腱鞘炎の症状の違いは、キーンベック病のほうが、手首の痛みが長期間にわたり継続するといわれている点です。さらに、キーンベック病では、疾患の進行とともに関節の動きが悪くなり動作が制限されるケースがあることがわかっています。一方、腱鞘炎では、痛くて動かしにくいことはあるかもしれませんが、関節の動きが制限されるようなケースはほぼないでしょう。

キーンベック病の診断は、痛みや握力低下などの症状の確認とともに、主にレントゲン検査、MRI検査(磁石でできた筒状の機械に入り、磁気の力を用いて臓器や血管を撮影する検査)、CT検査(X線を用いて身体の断面を撮影する検査)によって行なわれます。

これら3つのいずれかの検査によって骨の異常を確認し、キーンベック病と診断されるケースが多いでしょう。

手を使用することが多い職業の方にとって、キーンベック病の発症を予防することは難しいかもしれません。しかし、疾患の進行を予防することは可能でしょう。手首に痛みを感じるようになったら、できるだけ早く病院を受診し、医師から適切なアドバイスを受けていただきたいと思います。

実際には、手首が腫れたり安静時に痛みが出たり、手首の動作が制限されるようになってくると、病院を受診される方が多い印象があります。

しかし、これらの症状は疾患が進行してから現れる症状です。可能な限り疾患の初期に病院を受診し、進行を食い止めることが大切だと思います。目安としては、1か月にわたり手首の痛みが継続して現れるようであれば、病院の受診をおすすめします。

キーンベック病の治療については記事2『キーンベック病の治療-手術や薬剤治療のうち、根本的治療とは?』をご覧ください。

 

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    岩崎 倫政 先生

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