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きーんべっくびょう

キーンベック病

別名
月状骨軟化症
最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

キーンベック病(Kienböck disease、Kienböck病)とは、手首の骨のひとつである「月状骨(げつじょうこつ)」と呼ばれる骨が潰れてしまう病気のことを指します。インターネット上では「月状骨軟化症」と検索されていることも多いようです。月状骨の血流が障害を受けることが原因となり発症すると考えられています。

主な症状は手首の痛みで、手首をよく使用する職業の方に多く見られます。手首の安静を保ちながら、保存的に経過を見ること以外に、経過に応じて手術療法がとられることもあります。 

原因

手首を構成する骨のひとつひとつは小さく、合計8個の骨が存在しています。そのひとつに「月状骨」があります。月状骨は手首の中心部に位置する骨で、手首の運動に重要な役割を果たします。

月状骨はもともと血流が乏しい環境にあり、何かしらのきっかけで容易に血流障害を起こします。キーンベック病の原因はこの月状骨の血流低下だと考えられており、特に職業柄手首を多く動かす若い男性に多いことが知られています。また、若い男性だけでなく、女性や高齢者の発症も確認されています。しかし、キーンベック病が発生する具体的な原因は、まだ明らかになっていません(2018年現在)。

症状

キーンベック病は月状骨の変形が生じることになり、骨が柔らかくなったり、位置がずれたり、潰されてしまったりします。

このため、

  • 手首の痛みや腫れ
  • 手首の動かしにくさ
  • 握力の低下

などを自覚することがあります。

手首の使用頻度や、手首の外傷をきっかけに発症するため、基本的には利き手である手首もしくは外傷が生じた片方の手に発生することが多いです。

検査・診断

キーンベック病の診断は、それまでの病歴や職歴、身体所見上の手首の変化の確認を通じて行います。キーンベック病が疑われた際には手首に対してレントゲン写真やMRI、CTなど画像検査が行われます。

キーンベック病の進行はゆっくりであり、骨の変化も数か月の時間をかけて進行します。そのため、初期にレントゲン写真を撮影しても、明らかな病変が認められないこともあります。しかし、この段階であってもMRIだと月状骨の血流阻害は確認が可能です。この段階だと、キーンベック病の進行度としては「Stage1」の初期段階です。

病気が「Stage2」に進行すると、月状骨が固くなる硬化性変化を示すようになります。この段階になるとレントゲン写真でも月状骨の変化を認められ、全体的に骨が通常よりも白く撮影されることになります。骨が硬くなることを反映し、手首の動かしにくいという自覚症状が見られます。

「Stage3」になると、すでに月状骨は崩れてしまい、いくつかの破片に分断されています。これは画像検査でも確認可能です。月状骨が変形を始める時期であり、正常な手首運動を行うことができなくなってしまいます。自覚症状としては、痛みの増強や握力低下を認めます。

もっとも病状が進行した「Stage4」になると、月状骨のみならず、月状骨周囲に存在する骨にも影響が生じるようになります。この段階では、関節炎を発症することもあります。

治療

キーンベック病の治療は、保存療法と手術療法の2つに大きく分けることができます。

保存療法

キーンベック病の病初期においては、鎮痛剤の使用や手首運動の安静を保つ保存療法がとられます。手首の安静をより効果的に保つために、一時的にギプス固定をすることもあります。

手術療法

保存療法を継続しても症状が改善しない場合、もしくは病状が進行している状況では手術療法が選択されることがあります。月状骨が変形を始める前の段階で手術介入をできる場合には、血流の再還流を促す手術方法がとられることがあります。具体的には橈骨(とうこつ)などの一部を血管と共に切り取り、月状骨へ移植します。

月状骨の変形が著しい場合には、月状骨を摘出します。その他、橈骨と尺骨の両者の長さが異なることが原因でキーンベック病が発症している場合、両者の長さを同じにする手術療法が選択されることもあります。

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