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変形性膝関節症に対する骨切り術の流れと術後の経過

疾患啓発(スポンサード)

最終更新

2019/06/26

2019 年 06 月 26 日
掲載しました
変形性膝関節症に対する骨切り術の流れと術後の経過
石川 博之 先生

横須賀市立市民病院 関節外科・人工関節センター 診療部長、人工関節センター長

石川 博之 先生

目次
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変形性膝関節症の治療法のひとつである「高位脛骨骨切り術(骨切り術)」は、自己の膝を温存できることが特徴です。一口に「骨切り術」といっても、その細かい手法にはさまざまなものが存在します。横須賀市立市民病院では、一人ひとりの患者さんの容体や病気の進行度、年齢などに応じて、骨切り術の最適な術式を提案しているといいます。引き続き、横須賀市立市民病院関節外科 部長 石川博之先生にお話しいただきました。

骨切り術の適応

「骨切り術」は、基本的には膝関節の可動域に大きな制限がない初期~中期段階で、活動性の高い方が適応となります。かなり進行した変形性膝関節症には適応できない場合があります。そのため、骨切り術を希望される場合は、早期段階での実施を推奨しています。

また、一般的には、70歳代後半の方には人工膝関節置換術を適応することが多いですが、骨切り術を希望される場合は年齢にかかわらずご相談に応じています。

骨切り術におけるさまざまな術式と適応基準

Open Wedge High Tibial Osteotomy(開大式高位脛骨骨切り術)

内側関節だけが痛んでいる変形性膝関節症初期の方には、Open Wedge High Tibial Osteotomy(OWHTO:開大式高位脛骨骨切り術)が適応されることが多いです。OWHTOでは、脛骨の内側から外側に向かって骨を切り、内側を開いて人工骨を挿入し金属の板とネジで固定することで骨を矯正します。

膝関節は大きく分けて内側関節、外側関節、そして膝蓋大腿関節の3つの関節部分から構成されています。OWHTOは、内側関節のみが傷んでいる初期の変形性膝関節症に適応されます。膝蓋大腿関節に病変がある場合や、変形性膝関節症が進行している若い方にはOWHTOを推奨していません。

Closed Wedge High Tibial Osteotomy(閉鎖式高位脛骨骨切り術)

内側関節と膝蓋大腿関節が痛んでいる方には、Closed Wedge High Tibial Osteotomy(CWHTO:閉鎖式高位脛骨骨切り術)を行います。CWHTOは、脛骨の外側から骨にアプローチして楔状に骨を切り、矯正する方法です。内側関節と膝蓋大腿関節に病変がある場合に適応になることが多い術式で、進行した変形性膝関節症にも対応可能です。

当院では、当院関節外科前部長の竹内良平先生とともに考案した「Hybrid Closed Wedge HTO」を行っています。

Hybrid Closed Wedge HTOは、Oblique Osteotomyという術式と、Hemi-open HTOという術式を組み合わせた方法です。それぞれの手法と異なる点は、骨切り部の外側骨皮質(骨の硬い部分)を合わせることで骨接合部の安定性を上げていることと、外側からのアプローチのみで内側を開けないことの2点です。

その他の骨切り術

その他の骨切り術は、大腿骨外反骨切り術、大腿骨内反骨切り術、脛骨骨切り術に大腿骨骨切り術を組み合わせたDouble Level Osteotomyなどがあります。

大腿骨外反骨切り術は、大腿骨が元から変形している場合や、骨折後の変形治癒などに対して行います。Double Level Osteotomyは、脛骨のみの矯正では過度になる場合に行うことが多いです。大腿骨内反骨切り術は、外側型変形性膝関節症に対して行っています。