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関節リウマチによる機能障害や痛み――整形外科の知見で支える「自分らしい生活」

関節リウマチによる機能障害や痛み――整形外科の知見で支える「自分らしい生活」
小松 美月 先生

フジ虎ノ門整形外科病院 整形外科、リウマチセンター(人工関節・膠原病)センター長、人工関節セン...

小松 美月 先生

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関節リウマチは、薬物療法の進歩により“寛解”を目指せる時代になりました。しかし、症状が進行し生じた機能障害や持続する痛みに対しては、生活の質(QOL)を改善するために手術も選択肢となることがあります。フジ虎ノ門整形外科病院 整形外科・リウマチセンター(人工関節・膠原病) センター長・人工関節センター センター長の小松 美月(こまつ みづき)先生は、他の診療科と緊密に連携しながら、患者さんのライフスタイルに合った治療を追及しています。自分らしい生活を送るための関節リウマチ治療について伺いました。

関節リウマチとは、免疫の異常によって関節の内面を覆っている滑膜などに炎症が起こる病気です。

初期症状には、関節の痛み、腫れ、朝のこわばりなどがあります。進行すると、関節の変形や破壊、機能障害をきたすこともあります。そのほか、倦怠感や微熱、食欲低下などの全身症状が現れることもありますが、症状の有無や程度は患者さんによってさまざまです。

そのため、病気に対する受け止め方も一人ひとり異なります。現れる可能性のある症状については、必要に応じて冊子などを用いながら少しずつお話しするようにしています。

一般的に、関節リウマチは手指の小さな関節に左右対称に症状が出るものとイメージされがちです。しかし、実際には膝や肘、肩などある特定の関節にのみ強い症状が出る“単関節型”の方もいます。

私が診察したある患者さんは60歳代前半の女性でしたが、肘の痛みが1年ほど続いており、複数の病院を受診しても原因が分からず当院へ来られました。血液検査をしたところCCP(抗シトルリン化ペプチド/蛋白(たんぱく))抗体*が陽性で、肘関節はリウマチによる骨破壊が進行していました。このように「ある特定の関節だけがずっと痛い」というケースでは、整形外科がリウマチを診断する窓口になることも少なくありません。

* CCP(抗シトルリン化ペプチド/蛋白)抗体:シトルリン化がみられるいくつかの蛋白質に対する自己抗体で、関節リウマチの約70~80%で陽性となる。

写真:PIXTA
写真:PIXTA

関節リウマチの主な治療法には、基礎療法、薬物療法、リハビリテーション、手術があります。

基礎療法には生活習慣の改善などが含まれます。関節リウマチの発症や活動性には喫煙の関与が大きいといわれています。私は禁煙を強制することはありませんが、食生活の改善や適度な運動と安静などと合わせて、生活習慣の見直しの必要性はお伝えしています。

関節リウマチの薬物療法では、妊娠中などの場合を除き、まずは免疫の異常を改善するメトトレキサートという飲み薬を使用します。開始してからは1〜3か月ほど経過を観察しながら、寛解(かんかい)*を目指します。

十分な効果が得られない、副作用などにより継続が難しい場合は、他の抗リウマチ薬の併用や切り替えを検討します。それでも寛解に至らない場合は、バイオテクノロジーによって作られた生物学的製剤**や、特定の酵素を阻害するJAK阻害薬***への変更を考慮します。

薬剤は、メトトレキサートを使用できるか否か、内服薬か注射薬か、注射薬の場合は自己注射か点滴かなどの患者さんの希望やライフスタイル、経済的な負担などを考えて選択しています。

*寛解:関節リウマチの炎症や痛みが治まり、ほとんど症状が出ていない状態のこと。ただし病気が完全に治ったわけではなく、また症状が再燃する可能性がある。

**生物学的製剤:免疫異常を改善する作用、炎症や関節破壊を抑制する作用がある。点滴か皮下注射で投与する。

***JAK阻害薬:細胞の内側にあるヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素を阻害することで炎症や関節破壊を抑制する内服薬。

機能障害がある方などにはリハビリテーションを行います。関節に負荷がかかりにくい体の動かし方や筋力トレーニングを習得していただき、自宅でも実施していただけるようにしています。また、必要に応じて、動作を補助する装具(スプリント)の作製なども行っています。

リウマチが進行し関節の変形や破壊が生じている場合、残念ながら薬物療法で元の機能を取り戻すことはできません。機能障害や痛みがあり生活に不自由を感じている場合は、手術を提案します。

手術と聞くと「大きな傷あとが残るのではないか」「長く入院しなければいけないのではないか」などと想像して、怖くなってしまう方も多いかもしれません。しかし、今の外科手術は以前とは大きく異なります。現在は体に優しく負担が少ない(低侵襲(ていしんしゅう))手法の開発が進み、かつては大きく切開していた手術も傷あとが小さく済むようになりました。筋肉を切り離さずに関節や骨にアプローチすることも可能で、術後の痛みも軽減されています。

関節リウマチの方に行うことが多いのは、股関節(こかんせつ)膝関節(しつかんせつ)、肘や肩関節の人工関節置換術、手首の形成術、断裂した腱の再建術などです。たとえば膝の人工関節置換術であれば、手術翌日には車椅子に乗り、2〜3日後には歩行器で歩く練習を始めます。手術後に機能が回復したことを喜んでくださる患者さんもいらっしゃいます。手術は決して最終手段ではなく、積極的に生活の質(QOL)を取り戻すための前向きな選択肢と捉えていただければと思います 。

関節リウマチの診療において、私が最も大切にしているのは、患者さんが何でも話しやすい雰囲気を作ることです。関節リウマチは長く付き合っていく必要がある病気ですので、患者さんと信頼関係を築くことは何よりも重要だと思っています。

薬を増やしたいのか、生物学的製剤を使ってみたいのか、自己注射に挑戦してみたいのか、あるいは手術を検討するべきかなど、医学的な正解だけでなく、患者さんが何を大切にしたいかを尊重して、一緒に決めていきたいと考えています。

写真:PIXTA
写真:PIXTA

関節リウマチは関節だけの病気ではありません。皮膚や目、そして特に肺への影響は注意が必要です。当院には整形外科のほか、リウマチ科、呼吸器科があり、密に連携を取りながら診療にあたっています。

たとえば、整形外科で診療している患者さんで肺に異常が見つかった場合、すぐに呼吸器科の医師に相談できる体制を整えています。このように複数の診療科が連携して、多角的な視点を持って治療を提供できるのは当院の強みであると考えています。

関節リウマチを抱えながら、自分らしく生きている患者さんはたくさんいます。印象深かったのは、50歳代で股関節の人工関節置換術を受けた男性の患者さんです。その方は手術の後に「ボディビルダーになる」という目標を立ててトレーニングを積み重ね、ある大会で優勝されました。診察室でポージングを見せてくださったときの晴れやかな笑顔は、今でも忘れられません 。

他にも、山登りやマラソンを再開された方もいます。適切な治療で寛解を維持できれば、関節リウマチでない方と同じか、それ以上にアクティブな生活を送ることも夢ではありません。

写真:PIXTA
写真:PIXTA

もし関節の痛みやこわばりを感じていたら、どうか一人で悩まずに一度ご相談ください。たとえ関節リウマチであっても、早めに治療を始めれば症状は十分にコントロールできます。お薬による治療だけでなく、必要に応じて手術という選択肢もあります。今はさまざまな方法がありますので、少しでも楽に日常生活を送っていただけるよう、私たちと一緒に考えていきましょう。

提供:大正製薬株式会社

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