ふけしょう

ふけ症

別名
頭部粃糠疹
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

ふけ症とは、頭皮の角質層が大小さまざまな断片として剥がれ落ちる病気のことです。

人の表皮の表層は角質層と呼ばれ、皮膚を保護する役割を担っています。角質層は、皮膚の新陳代謝によって約28日周期で入れ替わり、新しい角質層が皮膚の深層から生成されると表層の古い角質層は剥がれ落ちていきます(ターンオーバー)。頭皮にも同様のサイクルがありますが、これによって剥がれ落ちた角質層が「ふけ」の正体です。

このため、「ふけ」は誰にでも存在しますが、落ちた「ふけ」が洋服を汚すほど多くなった状態や、非常に目立つ状態になったものを「ふけ症」と呼びます。「ふけ」が米ぬかのように見えることから、ふけ症は「頭部粃糠疹」とも呼ばれます。

発症には男性ホルモンの分泌や頭皮の乾燥、皮脂分泌の増加などが関与していると考えられています。乾癬や真菌感染症との鑑別が必要になることがあります。

原因

ふけ症は、ホルモンバランスの異常が原因であると指摘されています。具体的には、男性ホルモンであるアンドロゲンの過剰分泌によって皮脂の分泌量が増えることが挙げられます。

過剰な皮脂は、頭皮の常在真菌であるマラセチア菌を増殖させる効果があります。マラセチア菌は通常量であれば、頭皮に悪影響はありません。しかし、増殖を繰り返すと頭皮に炎症を起こすことがあり、これが頭皮の角質層を剥がれ落とす原因となります。

他にも、女性ホルモンであるエストロゲンや甲状腺ホルモンなどが減少すると頭皮が乾燥して、角質層が剥がれ落ちやすくなることが知られています。

また、このようなホルモンバランスの異常だけでなく、肌質に合わないシャンプーや頻回の洗髪、刺激の強いパーマ液などによる頭皮の乾燥が原因となることも少なくありません。

症状

米ぬかのような白く大小さまざまなふけを生じるのが特徴です。生理的なふけは誰にでも生じますが、ふけ症の場合は(くし)で髪をとかすと、多くのふけが剥がれ落ちて洋服や床を汚します。また、遠くから見ても髪の根元にふけが溜まっているのがわかります。

かゆみなどの症状が現れることは少ないですが、頭皮の炎症が強い場合にはかゆみを自覚することがあります。かゆみのために頭皮を掻きむしると、さらに多くのふけが剥がれ落ち、頭皮にダメージを与えて脂漏性皮膚炎に進行することもあります。

検査・診断

ふけ症は、乾癬などの皮膚の病気、白癬・アタマジラミ感染などと区別がつきにくいことがあります。通常であれば、ふけ症は特に検査を必要としませんが、これらとの鑑別が必要な場合には下記のような検査が行われます。

病理検査

乾癬との鑑別を行う場合には、頭皮の組織を採取して顕微鏡で観察する病理検査が行われることがあります。

検鏡検査

頭皮に白癬やアタマジラミがいないかを調べる検査です。頭皮の角層や髪の毛を採取して顕微鏡で観察します。このとき、白癬やアタマジラミの卵などが見られることで診断が下されます。

治療

ふけ症は、保湿効果の高いシャンプーを使用する、洗髪回数を減らす、食事を見直して皮脂の分泌を抑える、などの生活習慣の改善によってよくなることがほとんどです。

しかし、症状が長く続いたり、頭皮に炎症を起こして脂漏性皮膚炎に進行していたりするケースもあります。このようなケースでは、マラセチア菌の増殖を抑えるケトコナゾールを配合したシャンプーなどによって治療を行うこともあります。

また、エストロゲンや甲状腺ホルモンの減少が原因である場合には、ホルモン療法を行うと劇的に症状が改善することも少なくありません。

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