原因
ウイルス性出血熱の代表的な疾患は5つあり、それぞれ異なるウイルスが原因となっています。
エボラ出血熱
エボラウイルスが引き起こす感染症です。主に感染者の血液や体液との接触で感染します。アフリカ中央部(コンゴ民主共和国、ウガンダなど)や西部(ギニア、リベリア、シエラレオネなど)の流行地域では、サルやコウモリなどの野生動物がウイルスを保有していることがあり、これらとの接触も感染の原因となり得ます。
マールブルグ病
マールブルグウイルスによる感染症で、感染者の血液や体液との接触で感染します。一部の研究では、感染したコウモリとの接触による感染の可能性が指摘されていますが、動物からヒトへの感染経路は明確ではありません。主にサハラ以南アフリカ地域で流行が報告されています。
ラッサ熱
ラッサウイルスを保有するマストミス(ネズミの一種)の排泄物に汚染された物との接触や、マストミスに噛まれることで感染します。感染者の体液や飛沫との接触も感染源となります。主に西アフリカ地域で流行がみられます。
クリミア・コンゴ出血熱
クリミア・コンゴ出血熱ウイルスを保有するダニに噛まれたり、感染した動物の血液に接触したりすることで感染します。感染者の体液との接触も感染の原因となります。中東や中央アジアで定期的に報告されており、近年ではパキスタン、インド、スペインでも感染例が確認されています。
南米出血熱
アレナウイルス属のウイルスによって引き起こされる疾患群です。感染したネズミの体液や排泄物、または感染者の体液との接触で感染します。
南米出血熱に含まれる病気と原因ウイルスは以下の通りです。
- アルゼンチン出血熱……フニンウイルス
- ベネズエラ出血熱……ガナリトウイルス
- ブラジル出血熱……サビアウイルス
- ボリビア出血熱……マチュポウイルス
- チャパレ出血熱……チャパレウイルス
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