原因
大脳から出された司令を受け取る筋肉は、運動ニューロンという神経細胞に支配されています。この運動ニューロンは、大脳から脊髄内の前角細胞までの「上位運動ニューロン」と、脊髄前角細胞から筋線維へと連なる「下位運動ニューロン」の2つに分けられます。
ウェルドニッヒホフマン病は、全身の筋肉を動かすためになくてはならない脊髄前角細胞が障害を受けてしまうことを原因として発症する病気です。
脊髄前角細胞が正常に活動するためには、運動神経細胞生存(survival motor neuron:SMN)遺伝子と呼ばれる遺伝子のはたらきが重要です。ウェルドニッヒホフマン病はSMN遺伝子に異常が生じることで発症します。
ウェルドニッヒホフマン病は遺伝性疾患であり、両親から遺伝する可能性があります。遺伝に際しては、「常染色体劣性遺伝」という遺伝形式をとります。
この遺伝形式では、両親が病気の保因者(病気を発症せずに異常遺伝子を有している状態)であり、両者から異常遺伝子が伝わった際にお子さんが病気を発症することになります。
理論的な確率としては、保因者同士のお子さんがこの病気を発症する確率は4分の1、お子さんが病気の保因者となる確率は2分の1、何の遺伝子異常もない正常な遺伝子のみを受け継ぐ確率が残り4分の1となります。
このように、ウェルドニッヒホフマン病は遺伝する可能性を伴う病気であるため、遺伝カウンセリングを行うことも重要です。
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