ぎゃろうぇいもわとしょうこうぐん

ギャロウェイ・モワト症候群

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原因

ギャロウェイ・モワト症候群は、WDR73と呼ばれる遺伝子に異常が生じうることから発症することが2014年に報告されました。ギャロウェイ・モワト症候群は家族性に発生することが多いことが知られており、こうした家族例を対象にした研究を通して初めて原因遺伝子が特定されています。

細胞が分裂して増殖をする過程では、WDR73遺伝子は重要な役割を果たしています。WDR73遺伝子に異常が生じると、脳の発生過程に異常をきたし、ギャロウェイ・モワト症候群でみられるような神経系の障害が発生すると推察されています。

また、腎臓の中には「たこ足細胞」と呼ばれる細胞が存在していますが、この細胞の形成過程にもWDR73遺伝子が深く関わっていると考えられています。たこ足細胞は、体内にタンパク質を保持するにあたり、なくてはならない細胞です。WDR73遺伝子に異常が生じると、たこ足細胞が機能障害を起こし、タンパク質が尿中に排泄されるようになる(つまりネフローゼ症候群を発症する)と考えられています。

WDR73遺伝子以外にも本症の複数の原因遺伝子の報告がなされており、病気の発生病態がいずれ解明されると考えられます。

ギャロウェイ・モワト症候群は、「常染色体劣性遺伝」と呼ばれる遺伝形式をとります。人の細胞には同じ遺伝子であっても2本の類似した遺伝情報が存在することが知られています。常染色体劣性遺伝形式では、原因となる遺伝子異常を1つ持つのみでは病気は発症しません。しかし、2本ともが異常遺伝子を示す場合、病気を発症することになります。両親が1つずつ遺伝子異常を持っている場合、お子さんが病気を発症する可能性は25%、お子さんが病気の保因者(つまり異常遺伝子を1本持つこと)になる可能性は50%です。残りの25%の場合は、原因となる遺伝子異常を引き継ぎません。

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