ねふろーぜしょうこうぐん

ネフローゼ症候群

最終更新日:
2021年12月16日
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2021/12/16
更新しました
2017/04/25
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概要

ネフローゼ症候群とは、尿の中にタンパク質が多量に出てしまい、血液中のタンパク質が減ってしまう状態を示す症候群です。尿の泡立ちやむくみなどが主な症状ですが、重症な場合は肺や心臓などに水がたまりやすくなるほか、腎不全になったり、血栓症などの合併症が現れたりすることもあります。

ネフローゼ症候群には、腎臓疾患が原因となる一次性ネフローゼ症候群と、その他全身性の病気が原因となる二次性ネフローゼ症候群があります。

一次性ネフローゼ症候群は指定難病であり、若年層に多い微小変化型ネフローゼ症候群や高齢者に多い膜性腎症などがあります。また、二次性ネフローゼ症候群の原因疾患には糖尿病などがあります。

原因

ネフローゼ症候群は、腎臓疾患が原因となる一次性ネフローゼ症候群と、その他全身性の病気が原因となる二次性ネフローゼ症候群に大別されます。

一次性ネフローゼ症候群

一次性ネフローゼ症候群は以下の4つが代表的です。

微小変化型ネフローゼ症候群

腎臓においてフィルターの役割を果たしている糸球体に機能障害が起こり、タンパク質が尿中に漏れ出る病気です。
糸球体の変化は微細で普通の顕微鏡レベルでは分かりません。子どもから若年層に多くみられますが、中高年~高齢者にも発症します。
発症は急性のことが多く、数日のうちにむくみが進行します。ステロイドがよく効く場合が多いですが、減量あるいは中止すると再発も多くみられます。

巣状分節性糸球体硬化症

一部の糸球体に部分的な硬化がみられ、そこからタンパク質が漏れ出る病気です。

発症は急性で、しばしば微小変化型ネフローゼ症候群との見極めが問題になります。ステロイド治療に反応しにくいことが比較的多く、透析が必要な末期腎不全に至ることもあります。

膜性腎症

糸球体のろ過面に抗体の沈着が起こり、タンパク質が尿中へと漏れ出る病気です。中高年層によくみられます。

タンパク尿が軽症の場合には予後がよいとされており、症状を抑える対症療法で自然に改善することもあります。しかし、治療に反応しないステロイド抵抗性の場合は末期腎不全に至ることもあります。

膜性増殖性糸球体腎炎

糸球体のろ過面だけでなく、血管と血管を保持しているメサンギウムにも炎症が起こる病気です。

ほかの病気に続発することも多くあり、原因は1つだけではなく、さまざまな病気が含まれるとも考えられています。ステロイドが効きにくいことが多く、10年の経過で約50%の人が末期腎不全に至ります。

二次性ネフローゼ症候群

二次性ネフローゼ症候群は糖尿病膠原病(こうげんびょう)全身性エリテマトーデス関節リウマチ)、ウイルス性慢性肝炎悪性腫瘍(あくせいしゅよう)などが原因となって起こります。また抗リウマチ薬や、非ステロイド性消炎鎮痛剤などの薬剤が原因となることもあります。

症状

主な症状は体のむくみ、尿の泡立ち、体重の増加などです。そのほか、体のだるさや疲れやすさを感じる人もいます。

尿の泡立ち

尿中にタンパク質が漏れ出ると尿の泡立ちがみられます。

むくみ・体重増加

手足や目の周りなどにむくみが生じ、体重の増加がみられることがあります。むくみが始まりやすい場所は病気によって異なりますが、まぶたや両側下肢から始まり、全身性のむくみに進行します。

むくみは血液中のタンパク質“アルブミン”の減少と塩分が体外に排泄されにくくなることによって起こります。血液のアルブミンが減ると、血管内に水分を保持できなくなり、血管外に漏れ出てむくみが現れます。

また、ネフローゼ症候群では腎臓から塩分が排出されにくくなるともいわれています。これらにより、体内に塩分・水分がたまり、むくみなどの症状が現れます。

肺やお腹などに水がたまる

進行すると肺やお腹に水がたまることにより、息苦しさや食欲の低下、腹痛がみられることもあります。このほか、男性では陰嚢(いんのう)に水がたまることもあります。

検査・診断

ネフローゼ症候群が疑われる場合、まずは尿検査と血液検査の数値を確認し、ともに以下で述べる数値の両方に該当する場合にはネフローゼ症候群と診断されます。そのほか、むくみや高コレステロール血症の有無などを確認し、診断の補助に役立てます。

  • 尿検査……尿タンパクを確認し、1日3.5g以上の場合
  • 血液検査……血液中のアルブミン濃度を確認し、3.0g/dL以下の場合
  • その他……ネフローゼ症候群の原因を探るため、超音波検査や腎生検が行われることもあります。腎生検は1週間ほどの入院が必要で、腎臓の状態が悪い人には行えない可能性があります。

治療

原因となる病気が明らかな場合には、その治療を行います。そのほか、それぞれの症状については以下のような治療方法が検討されます。

タンパク尿に対する治療

副腎皮質ステロイド薬の内服、あるいは点滴によってタンパク尿を減らすことを目指します。点滴の場合は高用量のステロイド薬を3日間点滴する“ステロイドパルス療法”を行う場合もあります。

副腎皮質ステロイド薬で改善がみられない場合には、免疫抑制薬の使用が検討されます。また、病気の種類によっては生物学的製剤の“リツキシマブ”などが検討されることもあります。

むくみに対する治療

むくみの症状が現れた際は、食事内容に留意し塩分を制限します。また、安静によってもタンパク尿は減少しますが、後述する血栓の合併症を防ぐため適度な運動は必要です。

むくみが悪化し、体重増加がみられる場合には利尿薬の使用が検討されます。また、血管内の水分が不足してしまうことなどによる急性腎障害や、体に水が極端にたまってしまう場合には、一時的に透析療法が検討されることもあります。

そのほかの症状に対する治療

ネフローゼ症候群では血栓が生じやすくなることがあるため、軽い運動や足のマッサージで血行を促すほか、必要に応じて抗血小板薬や抗凝固剤といった血液をサラサラにする薬が処方されることもあります。

また、降圧薬であるレニン・アンジオテンシン系阻害薬はタンパク尿の減少効果が認められているため使用が検討されることもあります。これらの降圧薬はタンパク尿を減らす効果は期待できますが、限定的な効果しかみられないこともあります。

高コレステロール血症は、治療によってタンパク尿が減少すれば改善が期待できますが、コレステロールを下げる薬を使用する場合もあります。

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