かんえん

肝炎

最終更新日:
2023年04月24日
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2023/04/24
更新しました
2018/06/27
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概要

肝炎とは、肝臓に炎症が生じることで肝臓の細胞が破壊され、肝機能が低下する病気のことです。原因はウイルス感染や薬の副作用、アルコールや高カロリーな食事の取りすぎといった好ましくない生活習慣、免疫機能の異常など多岐にわたります。また、肝炎は急激に炎症が生じて肝臓の機能が低下する“急性肝炎”と、弱い炎症が長期間続くことで肝臓の機能が徐々に低下していく“慢性肝炎”の2つに大きく分けられます。

肝臓は“沈黙の臓器”とも呼ばれており、炎症が生じても自覚症状がないケースも少なくありません。しかし、適切な対処を講じず、肝臓に炎症が生じた状態を放っておくと肝硬変や肝臓がんに進行することがあるため注意が必要です。

原因

肝炎の原因は次のように多岐にわたります。

ウイルス感染

ウイルスに感染することが原因で肝炎が引き起こされることがあります。

肝炎ウイルスにはA~E型があり、主にA型とE型は生肉や魚介類、汚染された水などを介して感染し、急性肝炎を引き起こします。一方、B型とC型は血液や体液を介して感染し、慢性肝炎になりやすいのが特徴です。

そのほかにも、EBウイルスやサイトメガロウイルスなどが原因で肝炎を発症することもあります。

アルコール多飲、栄養過多、運動不足などの生活習慣の乱れ

日常的にアルコールを大量に服用していると、肝臓に脂肪が蓄積されることで炎症が引き起こされることがあります。一方で、多量に飲酒をしない場合であっても、食生活の乱れや運動不足などの生活習慣の乱れによって肝臓に脂肪が蓄積する“脂肪肝”の状態になると、肝臓に炎症を起こすケースも少なくありません。

薬の副作用

薬や薬が代謝される過程で生じた物質が肝臓にダメージを与えることや、薬に対するアレルギー反応により肝臓に炎症を引き起こすことがあります。

免疫作用の異常

自分の肝臓の細胞を“異物”とみなして免疫の作用で攻撃してしまうことで、肝炎を発症することがあります。このような肝炎を“自己免疫性肝炎”と呼び、明確な発症メカニズムは不明ですが、何らかのウイルス感染、妊娠・出産などが契機になりやすいと考えられています。

症状

肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれており、何らかの異常が生じても自覚症状がないケースも多いとされています。

ウイルス感染による急性肝炎は、急激に炎症が生じて肝臓の機能が低下するため、全身倦怠感、食欲低下、吐き気、発熱、黄疸(おうだん)( 皮膚や目の白い部分が黄色くなる)、皮膚のかゆみなどの症状が現れやすいことが特徴です。一方、慢性肝炎の場合は軽度な炎症が長期間続いているものの急性肝炎のような症状は現れにくく、発症に気付かず適切な治療をしないと肝硬変や肝臓がんに進行することも少なくありません。

検査・診断

肝炎が疑われるときは次のような検査が行われます。

血液検査

肝臓の機能、ウイルス感染の有無などを調べるために血液検査が必要となります。また全身の状態を評価するために、炎症や貧血の有無といった一般的な血液検査項目も調べられます。

画像検査

肝臓の腫れや萎縮、腫瘍(しゅよう)などの病変の有無を調べるため、腹部超音波検査、腹部CT検査、腹部MRI検査などによる画像検査が行われます。

治療

肝炎の治療方法は急性か、慢性かによって大きく異なります。

急性肝炎の多くは、重症化しない限り安静にして肝臓への血流を増加させること、タンパク質制限などの肝臓に負担がかからない食事制限、補液などの治療をすることで自然に改善していきます。しかし、炎症が強い場合にはステロイド薬を投与したり、B型肝炎やC型肝炎の場合は抗ウイルス剤の投与が行われたりすることもあります。

一方、慢性肝炎の治療は、食事療法や運動療法などのほか、肝臓の細胞を守る“肝庇護薬”や抗ウイルス薬などによる薬物療法が行われます。

また、肝炎の治療は原因によってさまざまであり、薬の副作用による肝炎では原因薬の中断、自己免疫性肝炎ではステロイドや免疫抑制剤などの投与が必要となります。誤った治療を続けると悪化することもあるため、正しい診断を受けて医師の指示に従って治療を進めていくことが大切です。

予防

肝炎の原因はさまざまであり、予防できるものとできないものがあります。

ウイルス性肝炎のうち、主に食品を介して感染するA型肝炎とE型肝炎はリスクのある食品の生食を避けることが大切です。そのほか、血液や体液を介して感染するB型肝炎とC型肝炎は、無防備に他者の血液や体液に触れないように注意し、性行為の際はコンドームを使用する必要があります。また、B型肝炎にはワクチンもあり、現在では新生児の定期接種に指定されています。

飲酒や食生活、運動習慣などが原因で引き起こされる肝炎の場合は、生活習慣を整えることで予防することが可能だとされています。

一方、薬の副作用による肝炎や自己免疫性肝炎の場合は、発症を予測することはできず予防法もありません。気になる症状があるときは、早めに医療機関を受診することが大切です。

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