治療
原因となる病気が明らかな場合には、その治療を行います。そのほか、それぞれの症状については以下のような治療方法が検討されます。
タンパク尿に対する治療
副腎皮質ステロイド薬の内服、あるいは点滴によってタンパク尿を減らすことを目指します。点滴の場合は高用量のステロイド薬を3日間点滴する“ステロイドパルス療法”を行う場合もあります。
副腎皮質ステロイド薬で改善がみられない場合には、免疫抑制薬の使用が検討されます。また、病気の種類によっては生物学的製剤の“リツキシマブ”などが検討されることもあります。
むくみに対する治療
むくみの症状が現れた際は、食事内容に留意し塩分を制限します。また、安静によってもタンパク尿は減少しますが、後述する血栓の合併症を防ぐため適度な運動は必要です。
むくみが悪化し、体重増加がみられる場合には利尿薬の使用が検討されます。また、血管内の水分が不足してしまうことなどによる急性腎障害や、体に水が極端にたまってしまう場合には、一時的に透析療法が検討されることもあります。
そのほかの症状に対する治療
ネフローゼ症候群では血栓が生じやすくなることがあるため、軽い運動や足のマッサージで血行を促すほか、必要に応じて抗血小板薬や抗凝固剤といった血液をサラサラにする薬が処方されることもあります。
また、降圧薬であるレニン・アンジオテンシン系阻害薬はタンパク尿の減少効果が認められているため使用が検討されることもあります。これらの降圧薬はタンパク尿を減らす効果は期待できますが、限定的な効果しかみられないこともあります。
高コレステロール血症は、治療によってタンパク尿が減少すれば改善が期待できますが、コレステロールを下げる薬を使用する場合もあります。
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