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ギャロウェイ・モワト症候群
ギャロウェイ・モワト症候群とは、神経障害と腎障害で特徴付けられる遺伝性疾患のひとつを指します。脳の奇形に関連して運動面、精神発達面の遅れは著しく、けいれんや運動障害を示します。また腎障害も治療抵...
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ギャロウェイ・モワト症候群ぎゃろうぇいもわとしょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

ギャロウェイ・モワト症候群とは、神経障害と腎障害で特徴付けられる遺伝性疾患のひとつを指します。脳の奇形に関連して運動面、精神発達面の遅れは著しく、けいれんや運動障害を示します。また腎障害も治療抵抗性のネフローゼ症候群を出生早期から呈することもあります。

2014年にはWDR73遺伝子異常が原因となり病気が発症することが報告されました。日本においては難病疾患のひとつに認定されており、200名ほどの患者さんがいらっしゃると報告されています。生命予後は厳しいものがあり、けいれんやネフローゼ症候群と関連して乳児期に亡くなることもまれではない疾患です。

原因

ギャロウェイ・モワト症候群は、WDR73と呼ばれる遺伝子に異常が生じうることから発症することが2014年に報告されました。

ギャロウェイ・モワト症候群は家族性に発生することが多いことが知られており、こうした家族例を対象にした研究を通して初めて原因遺伝子が特定されています。 どういった形の遺伝子異常が病気の原因になるかについても研究が続けられています。WDR73遺伝子情報をもとに作成されるタンパク質が正常に比べて短くなってしまうタイプであったり、長さは正常のタンパク質と一緒だが一部分のアミノ酸配列が異なっている(タンパク質は、アミノ酸を構成成分として作成されます)タイプであったり、さまざまな異常が報告されています。

細胞が分裂して増殖をする過程において、WDR73遺伝子は重要な役割を果たしています。WDR73遺伝子に異常が生じると脳の発生過程に異常が来されることになり、ギャロウェイ・モワト症候群でみられるような神経系の障害が発生すると推察されています。

また腎臓のなかには「たこ足細胞」と呼ばれる細胞が存在していますが、この細胞の形成過程にもWDR73遺伝子が深く関わっていると考えられています。たこ足細胞は、体内にタンパク質を保持するにあたりなくてはならない細胞です。WDR73遺伝子に異常が生じると、たこ足細胞が機能障害を起こし、タンパク質が尿中に排泄されるようになる(すなわちネフローゼ症候群を発症する)と考えられています。 WDR73遺伝子に関連したギャロウェイ・モワト症候群は報告されていますが、そのほかの遺伝子異常も病気の発症に関係しているのではないかと考えられています。

ギャロウェイ・モワト症候群は、「常染色体劣性遺伝」と呼ばれる遺伝形式をとります。人の細胞には同じ遺伝子であっても2本の類似した遺伝情報が存在することが知られています。常染色体劣性遺伝形式では、原因となる遺伝子異常をひとつ持つのみでは病気は発症しません。

しかし、2本ともが異常遺伝子を示す場合には病気を発症するようになります。両親がひとつずつ遺伝子異常を持っている場合、お子さんが病気を発症する可能性は25%、お子さんが病気の保因者(すなわち異常遺伝子を1本持つこと)になる可能性は50%です。残りの25%の場合は、原因となる遺伝子異常を引き継ぎません。

症状

ギャロウェイ・モワト症候群の症状は、神経と腎臓の異常に関連したもので特徴付けられます。脳の形成異常をともなう病気であり、大脳や小脳の一部の構造異常をともないます。頭は小さく、筋緊張が弱いことから哺乳や呼吸に異常をきたすことがあります。合目的な運動を行うことができずに、ジストニアやけいれんを認めることがあります。

運動面の遅れを見ることもあり、おすわりや起立を獲得できません。精神・知的発達面の遅れもともないます。重症例では出生後早期からネフローゼ症候群を呈することがあります。全身の浮腫をともない、血圧が下がったり感染症に弱くなったりします。

そのほか、食道裂肛ヘルニアや逆流性食道炎、誤嚥性肺炎などを認めることもあります。 ギャロウェイ・モワト症候群は家族例でいることが多い疾患ですが、症状の出方は千差万別です。多くの方は10代になる前に亡くなってしまいますが、なかには成人まで生存されている方もいます。

検査・診断

ギャロウェイ・モワト症候群では、脳の形成異常を確認するために頭部CTやMRIといった画像検査が行われます。さらに腎臓の異常を確認するために、尿検査や血液検査を行います。尿中にはタンパク質が大量に喪失されており、それと関連して血液中のタンパク質が低下していることが確認されます(ネフローゼ症候群を呈します)。

また腎臓の組織を実際に採取して、顕微鏡的にどのようなタイプのネフローゼ症候群であるのかを同定することもされます。

治療

ギャロウェイ・モワト症候群に対しての根本的治療は存在せず、症状に合わせた対症療法が行われることになります。 てんかんを認めることが多いため、けいれんの状況に合わせた抗てんかん薬が使用されます。ネフローゼ症候群の進行を食い止めるための治療も重要であり、ステロイドやその他の免疫抑制剤が使用されることになります。

しかしながらネフローゼ症候群の進行を抑制することはしばしば困難であり、最終的には透析や腎移植を要することになります。 ギャロウェイ・モワト症候群は家族例発生が多く、遺伝性疾患としての正確を有しています。したがって、遺伝カウンセリングが必要となることもあります。