しょうとうしょう

小頭症

脳

目次

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概要

小頭症とは、同世代の人と比較して、頭が小さい状態を指します。頭が小さい状態は、赤ちゃんがお腹の中にいる段階から妊婦健診で認識されることもありますし、出生してから頭の成長が止まることで指摘されることもあります。

小頭症は、脳の発達がうまくいっていない状況で発症することが多いです。風疹ウイルスやサイトメガロウイルス、ジカウイルスなどの感染症をきっかけとして引き起こされることや、環境要因、遺伝学的な要因などを背景として発症することもあります。

小頭症を発症すると、頭が小さい以外にも、発達の異常、けいれんなどの症状を見ることがあります。小頭症そのものを根治させるような治療方法は、現在のところ確立されていません。そのため、生じる症状に対して対症療法的な治療介入をします。小頭症が妊婦さんの風疹ウイルス感染をきっかけとして生じることもあるため、風疹ワクチン接種で病気の発症や流行を予防することが大切です。

原因

小頭症は、さまざまな原因を基にして引き起こされることが知られていますが、感染症を一つの例に挙げることができます。すなわち、風疹ウイルスやサイトメガロウイルス、ジカウイルス、HIVなどのウイルス、梅毒などの細菌、トキソプラズマなどの原虫に対して妊娠中のお母さんが感染すると、赤ちゃんの脳に影響が及ぶことがあります。

ウイルスは、痰、鼻水、体液、血液などに混入することがあります。そのため、感染者の咳に暴露される、感染者と性交渉をする、ウイルスを抱える蚊に刺される、などの要因によって感染が成立することがあります。どのような経路で感染するかは、ウイルスによって異なることには留意が必要です。トキソプラズマは、充分に加熱処理されていない肉の摂食、土壌など汚染された手から口に入ることなどで感染します。

小頭症は、ダウン症候群のお子さんに見ることもあります。また、妊娠期間中に過度のアルコール摂取、喫煙をすることで、赤ちゃんが小頭症になることもありますし、そのほかのヒ素や水銀などの有害物質をきっかけとして病気の発症に至ることもあります。

さらに、小頭症は、難産をきっかけとして生じることもあります。すなわち、出産時に赤ちゃんへ十分な酸素が供給出来ない状況に陥ると、脳へダメージがもたらされ、結果として小頭症の発症につながるリスクがあります。

以上のようにさまざまな原因を基にして発症する可能性がある小頭症ですが、必ずしもすべての患者さんで原因を同定することはできません。そのため、これといった原因がないにもかかわらず、赤ちゃんが小頭症の症状を呈することもあります。

症状

小頭症のお子さんは、同年齢のお子さんと比較して、頭が小さいです。また、頭の形が歪んでいると認識されることもあります。

小頭症は、通常は脳の障害によって生じる病気です。なかには、まったく症状を認めないこともあります。症状がある場合には、運動発達や知的面に影響がみられることもあります。具体的には、首の座りが遅い、おすわりが遅れる、バランスをとってうまく歩くことができない、言葉の理解や発語が遅れる、学習の遅れなどがあります。

そのほかにも、小頭症のお子さんは、けいれんを起こすこともあります。視力や聴力に影響が及ぶお子さんもいます。

検査・診断

小頭症は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときの胎児エコーをきっかけとして疑われることがあります。頭の大きさは、年齢に比して大きくなります。そのため、小頭症を診断するためには、年齢相応であるかを考慮することが大切です。

小頭症では、脳の状態を評価することも必要です。そのため、超音波検査やCT検査、MRI検査といった画像検査が行われます。また、脳波検査、聴力検査、視力検査、血液検査なども、病状の正確な把握、原因検索のために随時検討されます。

治療

小頭症は、現在のところ根治的な治療方法の確立には至っていないため、対症療法的な治療が中心になります。さまざまな症状が出現しうる小頭症ですが、すべての患者さんにおいて同じような症状を見るわけではない点にも注意が必要です。そのため、時間経過とともにどのような症状が出現するか注意し、必要に応じた治療介入を受けることが求められます。

具体的には、発達や知的レベルに異常が見られる際には、療育の介入が検討されます。また、聴力の異常がある際には補聴器の可能性も考慮されますし、けいれんが見られる場合には、抗けいれん薬の使用が検討されます。

小頭症の原因によっては、予防的な観点を導入することが求められるものもあります。すなわち、風疹ウイルスによる感染を予防するために、妊娠前から予防接種を行うことが必要です。ジカウイルスによる小頭症を予防するためには、妊娠中は流行地域を避ける、蚊に刺されないように注意するなどを心がける、必要に応じて避妊することが大切です。またジカウイルスに感染した男性の精液から女性に感染するため、男性も同様に対策が必要です。トキソプラズマは、加熱処理が不十分な肉を食べることで感染するため、レアの肉や生ハムを避けます。また土壌、ネコの糞などにもみられるため、外出後や食事前などの手洗いをしっかり行うこと、ネコの糞の処理をすることを妊婦は避けることなどが推奨されます。