ふうしん

風疹

別名:三日ばしか
皮膚

目次

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概要

風疹とは、風疹ウイルスを原因とし、発熱や発疹、リンパ節の腫れを主症状とする感染症です。別名「三日はしか」の名前でも知られていますが、この俗称は、風疹がはしか(麻疹)に類似する症状をみせ、麻疹より短い期間で治癒することを意味しています。

合併症の伴わない風疹は、麻疹よりも軽い症状で経過します。しかし、妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、赤ちゃんに「先天性風疹症候群」という重篤な合併症が生じることが知られています。先天性風疹症候群の予防のため、妊娠可能年齢の女性だけではなく成人男性の風疹ワクチン接種の促進を目指し、公的機関による啓発活動が行われています。

原因

感染経路

風疹は、風疹ウイルスに感染することで発症します。風疹ウイルスに感染した患者さんの咳や鼻水などを介する飛沫感染により、他者への感染が成立します。気道から侵入した風疹ウイルスは、鼻や喉などのリンパ節で増殖し、血液を介して全身へ広がって、発熱や発疹などの症状を引き起こすようになります。

風疹ウイルスの感染力

名前が似ている「麻疹ウイルス」は非常に感染力が強く、1人感染者がいると、およそ15人前後の免疫を獲得していない人に感染するといわれています。一方、風疹ウイルスは5人前後に感染を広げるといわれています。しかし、インフルエンザウイルスと比べると感染力は強いこともわかっています。風疹の流行を抑えるためには、予防接種により集団における免疫を持った人の割合を増やすことが重要と考えられています。

症状

潜伏期間

風疹ウイルスが体内に侵入してから、症状が出るまでの潜伏期間は2~3週間です。

初期症状

倦怠感や微熱、首のリンパ節の腫れなどが現れます。特に耳の後ろや後頭部が腫れることが特徴的です。リンパ節の腫れが引くには数週間程度かかります。

発疹症状

初期症状が現れて3~7日前後が経過すると発疹がみられます。発疹は顔から全身へと広がります。別名「三日はしか」と呼ばれることから示唆されるように、発疹は数日ほどでおさまり、跡を残すこともほとんどないといわれます。発疹が現れる数日前から出現後1週間が、感染力の強い期間です。

風疹の合併症

合併症は非常にまれですが、脳に炎症(脳炎)が起こることがあります。脳炎が起こる時期は、発疹が現れてから数日後で、頭痛・発熱・嘔吐などの症状を伴って急に発症します。このとき、けいれんや意識障害を来すこともあります。多くの場合、数日で意識が回復しますが、重症化することもあります。また、割合は少ないものの、血液の中にある血小板が減り、出血が止まりにくくなることもあります。

先天性風疹症候群

妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群にかかり、心臓や眼、耳などに重篤な合併症を発症する危険があります。

検査・診断

風疹の主な検査方法は、以下3つです。

  • 風疹ウイルスに対する抗体の検出(血液検査)
  • 咽頭拭い液や血液、尿、髄液などを用いた病原体の特定(ウイルス分離)
  • ウイルス分離と同様の検体を用いた風疹ウイルス特有の遺伝子の特定(PCR法)

治療

症状を抑える治療

風疹ウイルスに有効な抗ウイルス薬はありません。一般的には、合併症の発症がなければ自然治癒をする病気であるため、症状を緩和する治療(対症療法)が行われます。

風疹の出席停止期間

児童・生徒が感染した場合、学校保健安全法で「発疹が消失するまで出席停止」と定められています。

合併症の治療

合併症が生じた場合、その病気に応じた治療が選択されます。たとえば、血小板が減少してしまう「血小板減少性紫斑病」を発症した場合には、大量のステロイド投与や血液製剤のひとつである血清グロブリンの投与が検討されます。

予防

妊娠初期の女性が風疹ウイルスに感染すると、生まれてくる赤ちゃんに「先天性風疹症候群」という先天的な病気が生じる可能性もあるため、ワクチン摂種による予防が重要です。

日本ではワクチンを無料で接種できます。1歳のときと小学校入学前1年間の2回打つことで風疹を予防できるとされます。また、妊娠適齢期にワクチン接種を受け、妊娠が成立する前に風疹ウイルスに対する免疫を獲得しておくことが推奨されます。

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