りゅうざん

流産

最終更新日:
2020年12月24日
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2020/12/24
更新しました
2017/04/25
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概要

流産とは、妊娠22週未満で妊娠が終わってしまうことをいいます。人工的に妊娠を中断(中絶手術)する流産を人工流産といい、それ以外を自然流産といいます。

自然流産は、経過によって以下のように分かれます。

  • 切迫流産:少量の出血があり、流産発生の恐れはあるが、妊娠が継続している状態。
  • 進行流産:腹痛とともに赤ちゃんが出てきてしまう、流産が進行している状態。
  • 稽留(けいりゅう)流産:赤ちゃんは子宮の中にいるが、赤ちゃんが亡くなっていると判断された状態。母体に自覚症状なし。

また、流産によって赤ちゃんを含む子宮内容が全て排出された状態を完全流産、一部残っている状態を不全流産といいます。妊娠反応は陽性となったが、エコーで胎嚢(たいのう)など妊娠の兆候が確認されずに流産となったものを化学的流産といいます。この場合、妊娠にはカウントされません。また、2回自然流産を繰り返すものを反復流産、3回以上繰り返すものを習慣流産と呼びます。

原因

流産の大半は妊娠初期の11週目までに発生する早期流産です。

妊娠初期の流産のほとんどは赤ちゃん側の問題で生じるとされ、なかでも染色体異常や遺伝子の病気などが多いといわれており、赤ちゃん側の要因で起こる流産を医学的に治療することで防止することはできません。

また、流産が起こるケースは全妊娠の10~20%といわれており、この流産率は年齢とともに上昇します。40%の女性が一生涯に流産を経験するといわれているため、決してまれなことではありません。しかし、流産を数回繰り返す場合には、生まれつき子宮の形が変形している子宮形態異常や、内分泌や免疫機能など女性側の問題も考えられます。

流産を繰り返すときに考えられる赤ちゃんの病気

  • 染色体異常疾患(構造異常・数的異常)
  • 遺伝子異常(単一遺伝子疾患・多因子遺伝子疾患)

流産を繰り返すときに考えられる女性(パートナー)の病気

症状

お腹の張りや腹痛

子宮は筋肉でできていて、赤ちゃんの成長とともに少しずつ伸びていきます。何かのきっかけで子宮の筋肉が緊張してしまうと、お腹が張っていると感じたり生理痛のような腹痛を感じたりするようになります。この子宮筋の収縮は生理的(正常で病的ではない)なことが多く、それほど心配する必要はありません。

出血

妊娠中の出血は、実は5人に1人以上が経験している比較的発生頻度の高い病的症状です。出血する原因の大半は不明ですが、妊娠初期に出血経験がある方はその後の流産率が上昇するというデータもあります。ただ、初期に少量の出血がみられたとしても、ほとんどは自然に治り、正常な妊娠へ戻るといわれています。

検査・診断

視診

帯下(たいげ)(おりもの)の状態や出血の程度を確認します。

腟細菌培養検査

感染が疑われる場合には検査をします。

超音波検査

子宮内胎嚢の有無、大きさ、赤ちゃんの心臓の拍動の有無を確認します。1週間程度の間隔で、エコーで妊娠週数に伴う成長がみられるか(胎嚢が大きくなってくる、見えなかった胎児が見えてくるなど)、あるいは流産の所見があるか(発育が止まっている、胎児の心拍が消失するなど)を確認していきます。また、胞状奇胎(ほうじょうきたい)異所性妊娠子宮外妊娠ともいう。子宮内外同時妊娠を含む)がないことを確認します。

流産を3回繰り返したら検査を

人工流産(人工中絶)でない流産を2回繰り返すことを反復流産、3回以上繰り返すことを習慣流産、流産や死産を繰り返してしまい赤ちゃんが産まれないことを不育症といいます。

産婦人科では、習慣流産になる方には検査をおすすめしています。また近年は妊娠年齢が上昇していることもあって、反復流産、つまり連続2回の流産を経験された人に対しても検査をおすすめしています。

治療

流産のタイプにより対応が異なります。

切迫流産

妊娠初期に腹痛や出血があると不安が大きいですが、この時期には効果的な治療方法はありません。

進行流産

進行流産はすでに流産が始まっており、治療により流産を回避することはできないため原則経過観察となります。出血が増え、腹痛が強くなったと感じた後、胎児成分が排出されます。

稽留流産

すでに子宮内の赤ちゃんは死亡していますが、出血や腹痛がない状態をいいます。

治療は、待機的管理と手術療法があります。待機的管理とは、胎嚢が自然に排出されるのを待つ方法です。どのくらいの期間待機するかは本人の希望も含めて決定するため、担当医とよく相談する必要があります。一方、手術療法は器具を用いて胎嚢を排出する方法です。

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