流産は全ての妊婦さんに起こりうるものです。無事に出産を終えるまでは、どのようなトラブルが起こるのか誰にも予想することはできません。そのため、妊娠を考えている方、妊娠が分かった方には妊娠中に起こりうるさまざまなトラブルを知っておいていただきたいと思います。
この記事では、妊娠初期に起こりやすい流産とはどのような状態になっているものなのか、どういった症状が出ると危険なのかなどについてお伝えします。
何かしらの原因によって、妊娠が22週未満で終了してしまうことを流産といいます。
流産は妊娠全体のうち約10~20%に生じるといわれています。流産は決して珍しいことではありません。
また、流産は母体の年齢が上がると発生率が高くなります。近年では晩婚化の影響などにより、出産年齢が高くなっていますので、流産は増えているのが現状です。
流産には人工流産と自然流産があります。人工流産は、中絶手術などによって人為的に妊娠を22週未満で終了させた流産のことです。これ以外の流産が自然流産と呼ばれ、経過によって主に3種類に分けることができます。
自然流産には流産の進行段階に伴う症状や状態によってさまざまな診断名が付けられます。よく見られる流産に関連する診断名は次のとおりです。
腹痛やおなかの張り、出血などと共に胎嚢(胎児の入った袋)などの子宮内容物が完全に子宮外に排出された状態です。子宮内容物が完全に排出されれば症状は徐々に治まっていき、治療の必要はなくなります。
胎嚢などの子宮内容物が体外に排出されようとして、子宮体部から子宮頸部や腟内に移動しつつある状態で、通常、腹痛と出血を伴います。この状態になると、流産を止めることは不可能です。
胎児が子宮内で死んでしまったまま、胎嚢などと共に子宮内に留まるタイプの流産です。稽留流産には、出血や腹痛といった自覚症状がほとんどありません。そのため妊婦健診などで胎児の動きや心拍を確認できず、はじめて分かることが多いです。
腹痛や出血がありますが、胎児が子宮内で生存している、または生存していると考えられる状態をいいます。
日本産科婦人科学会では、22週未満で終了した妊娠を流産、それ以降を早産と定めています。また妊娠12週以降に死亡した児を出産した場合には死産といいます。
流産の兆候として出血や腹痛が生じることがありますが、正常な妊娠でも出血することがあります。特に妊娠初期は胎盤ができる過程で子宮内膜の血管が傷つき出血しやすい状態です。しかし、真っ赤な出血や出血が生理のときよりも多い場合は流産の兆候である可能性もあります。
実際、流産の多くは児に原因があるといわれており、生命力の弱い赤ちゃんが、早い段階で発育を止めてしまうことで起こります。その原因として60%は児の染色体疾患といわれています。このような流産を防止する方法は現状ではなく、児の生命力を期待して、発育を待つことになります。
妊娠中は胎児の成長に合わせて子宮が少しずつ伸びていきます。子宮は筋肉でできており、普段はリラックスしているので柔らかい状態ですが、何かしらの原因で緊張状態になり硬くなることがあります。これは子宮収縮と呼ばれています。
おなかの張りは誰にでも起こりうるもので、たまにおなかが張り、横になってしばらく休んで解消するようであれば問題となることはほとんどありません。しかし、流産すると子宮内容物を排出しようと痛みを伴う強い子宮収縮が起こることもあります。
妊娠中の出血・腹痛・腹部の張りでは、少しでも「いつもと違う」と感じたら、かかりつけの医療機関に相談することをおすすめします。
自然流産の多くは妊娠初期の早い段階で生じ、12週を過ぎると流産する率は大きく低下するとされています。では、妊娠初期の流産の原因は何でしょうか?
自然流産のほとんどは、染色体や遺伝子の病気など、胎児側の問題によって生じるといわれています。つまり、妊娠初期の段階では母親の運動や食事、仕事などが原因になることはないと考えられます。
ここでは妊娠12週未満の方が自然流産した場合についてご紹介します。
進行流産では時間の経過とともに出血量が増え、急に腹痛が強くなると胎嚢が体外へ排出されます。進行流産では、胎嚢がうまく排出しきれず出血が続くこともあります。出血量が多い状態が続くのに胎嚢が排出されない場合は、貧血になったり、子宮内の感染症を合併したりすることがあります。医療機関を受診して相談することをおすすめします。
胎嚢の排出が済んで、出血が少なくなった場合であっても、医療機関で子宮内に胎嚢が残っていないか検査を行うことが必要です。胎嚢がきれいに排出されている完全流産であれば、子宮内の環境が整い、次の月経が再開するのを待っていただきます。もし子宮内部に遺残物があれば、不全流産として下記の子宮内容を器械的に除去する処置を行うことや子宮収縮薬を処方されることもあります。
希望に合わせて、待機的療法もしくは手術療法を実施します。
待機的療法とは、子宮内容物が自然に排出されるのを待ち続ける方法のことです。手術療法に比べて身体的・金銭的負担が少ないですが、いつ胎嚢が排出されるか分からないので日常生活上で不安な期間を過ごすことになります。また、流産が起こった場合に出血が多くなって不安に感じることもあります。ただ、手術療法で麻酔や器械的処置により起こるかもしれない合併症が起こることはなく、その後の妊娠についても手術をした場合と結果は同じといわれています。
手術療法は医療機関で手術をして子宮内容物を排出する方法です。手術療法は健康保険適用対象(3割負担)のため、医療機関によっても異なりますが1~2万円の負担となります。
昭和大学医学部 産婦人科学講座 教授
関沢 明彦 先生の所属医療機関
関連の医療相談が19件あります
不全流産の過ごし方について
妊娠8週3日でしたが、一昨日より出血あり産婦人科で診察頂き、引き続き出血が増えていった為、今日再度診察頂いたところ流産とわかりました。 不全流産で一旦経過観察後、一週間後に再度通院することになっています。 診察の際考えが及ばず質問できなかったのですが経過観察の間は普段どおりの生活を行ってよいものでしょうか。 入浴は普通でよいでしょうか。 1歳児がおり抱っこや家事はせざるを得ない状況です。 何か注意することがあればご教示いたたいです。 宜しくお願いします。
流産の手術をする医者
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生理?出血?
3月7日に彼としました。 前回2月23日に生理がきて28日に終わりました。 生理予定日25日だったんですけど、今日生理がきたかなって思ってトイレに行ったら織物とまざった血がちょっと出てきて、今は量が多いんですけどいつもより血が水っぽいです、これは生理ですか?
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