せいりつう

生理痛

別名:月経痛
子宮

目次

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概要

生理痛(月経痛)とは、文字通り生理中に下腹部が痛いと感じる症状です。女性なら誰でも経験するものですが、ほとんど痛みがない人もいれば、動けなくなるほどの痛みを伴う人もいます。

日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合を「月経困難症」といいます。月経困難症には、何らかの病気が原因で痛みが生じる場合と、特に病気はないが、ストレスや体質などで痛みが起こる場合があります。生理中の痛みがとても強い場合には、原因となる病気がないかをはっきりさせておくことが大切です。

原因

女性の体は、女性ホルモンによって大きく影響を受けています。女性ホルモンのエストロゲンによって、子宮内膜が発育(増殖)するとともに、卵胞も大きく発育し、排卵の準備をします。排卵後にはプロゲステロンの作用により、受精卵の着床に備えて子宮内膜が厚い状態が維持され、基礎体温は上昇します。妊娠が成立しなかった場合、排卵後おおよそ2週間で子宮内膜が剥がれ落ち生理が始まります。このときに、プロスタグランジンという物質が分泌され、これによって子宮が収縮して痛みが生じます。

学校や会社に行けないくらいの生理痛がある場合、原因をはっきりさせることが大切です。特に原因となる病気がない場合もありますが、ときに病気が隠れている場合があります。生理痛を強くする原因となる病気には、主に「子宮筋腫」や「子宮内膜症」があります。

病気が原因ではないもの

病気が関与していなくても、体質によっては強い生理痛を起こすことがあります。特に若い女性の場合には病的ではないことも多く、病気が関与しないひどい生理痛のことを「機能性月経困難症」といいます。若年であると、子宮がまだ未成熟のために、月経血を外に出す通り道が狭いのも痛みの原因のひとつとされています。逆に出産後には、痛みは改善することが多いといわれています。

病気が原因となっているもの

病気による強い生理痛のことを「器質性月経困難症」といいます。主に子宮筋腫や子宮内膜症が原因になり、その頻度はまれではありません。

病気について詳しく知りたい方はこちらを参照して下さい。

子宮筋腫 

子宮内膜症

検査・診断

生理痛の程度や伴う症状によって、市販の痛み止めで様子をみていいのか、それともすぐに婦人科を受診すべきなのかが変わります。以下に当てはまる場合には、婦人科で検査や診断を受けることを検討しましょう。

近日中に一度受診

  • 生理の量が多く、めまい、立ちくらみなどの貧血症状がある
  • 生理のとき以外にも、下腹部痛・腰痛・排便時痛・性交痛などがある
  • 生理のとき以外にも出血がある
  • 生理のたびに日常生活が送れないほどの痛みがある

気になるようなら一度受診

  • そこまで痛みは強くないが、子宮や卵巣などの婦人科健診を最近受けていない

治療

生理痛の治療は、原因となっている病気が何なのかによって大きく異なります。一般的に行われることの多い治療には、以下のようなものがあります。

病気が原因ではないもの

婦人科での診察や検査の結果、病気が原因ではないと確認された場合には、痛みを和らげるための薬物療法が行われることが多くあります。いわゆる痛み止めですが、薬を使う回数が多い場合や効果があまりないような場合には、医師に相談し、適切で体に合った痛み止めを処方してもらうことも大切です。

また、低用量ピルを使用して排卵を抑制し、ホルモンの月経周期に伴う変化を最小限にすることで月経そのものを軽くし、痛みを抑える方法もあります。さらに、漢方薬を用いた治療が行われることも多くあります。

病気が原因となっているもの

子宮筋腫が確認された場合には、筋腫を小さくする薬物療法や、大きさによっては手術で筋腫だけを取り除く場合もあります。なお、小さくて症状がない子宮筋腫は治療の必要はありません。

子宮内膜症の場合には、痛みに対して、まずは鎮痛薬を使います。効果が得られない時ときは低用量ピル、GnRHアゴニスト剤、プロゲステロン製剤などを用いることがあります。卵巣の内膜症性のう胞(チョコレートのう胞)などの病巣部がはっきりしている場合には、手術が考慮されることがあります。子宮内膜症は、どの治療法でも再発したりする頻度が高いといわれていたり、卵巣の子宮内膜症性のう胞は長期的にまれではありますが、がん化することが知られており、長期的な経過観察が必要になります。

いずれにせよ、子宮筋腫や子宮内膜症の治療法は、症状の種類や重症度、年齢、妊娠の希望などで総合的に判断されますので、よく医師と相談して最適な治療法を決めるのがよいでしょう。