原因
生理痛は、経血を体外に出そうとするプロスタグランジンというホルモンが関与しています。このホルモンがはたらくと子宮が収縮しますが、このプラスタグランジンが過剰に分泌されて子宮が過度に収縮されると下腹部に痛みが生じる原因となります。
日常生活に支障をきたすほどの生理痛は“月経困難症”と呼ばれます。月経困難症には、特別な原因がなく生じる“機能性月経困難症”と、子宮の病気などが原因となる“器質性月経困難症”があります。
機能性月経困難症
機能性月経困難症では、発症の原因となる病気が特にないのが特徴で、15〜25歳ごろの若い年齢に多いとされます。プロスタグランジン濃度が高くなっているために、子宮の収縮や子宮への血流の減少が強く引き起こされ、痛みや不快感が生じると考えられています。運動不足や月経に対する不安があることも、機能性月経困難症の原因の1つとなる可能性があります。
器質性月経困難症
器質性月経困難症は、ほかの病気が原因で生理痛が引き起こされるもので、30歳以降に起こることが多くなります。もっとも多い原因は子宮内膜症です。これは、子宮の内側を覆っている子宮内膜と呼ばれる組織が、子宮以外の場所に存在する病気です。ほかに、子宮筋腫(子宮内にできる良性の腫瘍)や子宮腺筋症(子宮内膜の組織が子宮の壁をなす筋肉の中で増えるもの)、卵巣の病気、骨盤の炎症、先天性の病気など、さまざまな病気が原因となりえます。
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