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生理痛の症状とは?~痛みの原因や注意が必要な生理痛について解説~

生理痛の症状とは?~痛みの原因や注意が必要な生理痛について解説~
末永 昭彦 先生

にしたんARTクリニック品川院 院長

末永 昭彦 先生

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生理痛月経痛)は一般的に生理に伴う下腹部痛のことをいい、月経血を押し出そうとするホルモンのはたらきによって起きるものです。メカニズムは陣痛とほぼ同様で、多少の痛みであれば通常の生理的現象であるとされています。しかし、痛みの程度には個人差があり、場合によっては生活に支障をきたすほど痛みが強いこともあるため、我慢せずに医師に相談することも大切です。

本記事では、生理痛の症状、原因やメカニズム、婦人科系疾患の可能性が疑われる生理痛の症状、受診の目安などについて詳しく解説します。

生理痛とは生理前後や生理中に生じる下腹部の痛みのことを指します。痛みは下腹部に鋭い痛みや締め付けるような痛みが現れたり消えたりするほか、痛みが長く続く、腰や脚にも痛みが広がるといった場合もあります。このような症状は通常生理開始から24時間後に痛みがもっとも強くなり2~3日程度で治まります。

ただし、症状には個人差があり、鎮痛剤の服用が必要なほどの痛みを生じる人、鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらず生活に支障が生じる人、生理痛があるときもあればないときもある人など、症状の現れ方は人によってさまざまです。さらに生理時には下腹部の痛み以外にも、吐き気、頭痛食欲不振、疲労・脱力感、いらいらなどの症状が伴うこともあります。

なお、日常生活に支障をきたすほど生理痛が強い場合は“月経困難症”といわれ、婦人科の受診が必要な状態となります。

生理痛の原因は生理時に分泌されるプロスタグランジンという子宮内膜に多く存在するホルモンが関係していると考えられています。

プロスタグランジンとは妊娠が成立しなかった場合は子宮内膜から分泌されるホルモンのことをいい、これが血液中に入り込んで不要になった子宮内膜を排出されるために子宮を収縮させます。しかし、プロスタグランジンの分泌量が多い場合は必要以上に子宮を収縮させてしまうため、このようなはたらきが子宮内の痛みに対する感受性を強くして生理痛を引き起すとされています。

生理痛のメカニズムは陣痛とほぼ同様で、多少の痛みであれば生理的な現象であるとされるため問題はありません。しかし、日常生活に支障が出るほどの痛みが生じる場合は月経困難症と診断される場合があるほか、月経困難症の中でも原因が病気ではない生理痛(機能性月経困難症)だとプロスタグランジンの濃度が高いという報告もあります。

そのほかにも、運動不足や血行不良、ストレスも生理痛に深く関係しているとされています。そのため、生理痛を緩和するためには適度な運動、体を温める、休息を取りストレス解消をするなどの心がけも大切です。セルフケアを行っても生理痛が改善されない、日常生活に支障が出るほどの痛みがあるなどの場合は婦人科の受診を検討するとよいでしょう。

生理痛の中には病気が原因で痛みが生じている可能性もあります。生理ではないときに生理痛のような下腹部痛、排便痛、性交痛といった症状が見られる場合は、子宮内膜症、子宮内筋症、子宮筋腫などの婦人科系疾患の可能性があります。

子宮内膜症とは子宮の内側にあるべき子宮内膜が違う場所にできる疾患で、約9割に生理痛の症状が見られるというデータがあります。また、この病気の場合の半数以上に不妊が認められるとされています。

子宮腺筋症は子宮内膜に似た組織が子宮筋の中にできる病気で、主な症状には生理痛(下腹部の痛み)のほか、生理(出血)の量が多い、またこれに伴う貧血や骨盤痛などが見られます。流産早産の原因となることがあるので注意が必要です。

子宮筋腫は子宮筋層にできた良性の腫瘍のことです。主な症状には子宮腺筋症と同様に、生理痛のほか、生理(出血)の量が多いことが挙げられ、こちらも不妊の原因となる可能性があるとされています。

このように生理痛の原因が婦人科系疾患の可能性も考えられるため、痛みが強い、痛みが年々強くなる、生理時以外にも痛みなどがあるといった場合には婦人科の受診を検討するとよいでしょう。

生理痛の症状には個人差があり、場合によっては治療が必要な場合もあります。また、下腹部痛以外にも吐き気、頭痛食欲不振、疲労・脱力感、いらいらなどの症状が伴う場合には、婦人科系疾患が原因となっている可能性も考えられます。そのため生理痛の痛みが強い、痛み以外にも気になる症状があるなどの場合には、軽く考えずに婦人科の受診を検討するとよいでしょう。

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