しきゅうせんきんしょう

子宮腺筋症

最終更新日
2021年11月24日
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2021/11/24
更新しました

概要

子宮腺筋症とは、子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉の中にできる病気を指します。

子宮のほとんどは子宮筋層と呼ばれる筋肉でできていて、その内側は子宮内膜という粘膜組織で覆われ、子宮内膜は受精卵を育むベッドとしての役割を担っています。

子宮内膜に関連する病気として子宮内膜症がよく知られていますが、子宮内膜症は子宮内膜あるいはそれに似た組織が子宮の外に発生する病気で、卵巣、卵管、ダグラス()、仙骨子宮靱帯、膀胱子宮窩などに好発します。

また子宮内膜は子宮の外だけでなく、子宮を構成する子宮筋層内に生じることもあり、これを子宮腺筋症と呼びます。

子宮腺筋症は、10歳代前半から閉経を迎えるまでの幅広い年齢で起こる可能性がありますが、40歳代の人に多く、特に出産を経験した人に多いといわれています。

そのほか、子宮内膜の操作を伴う手術(掻爬手術(そうはしゅじゅつ)・帝王切開・子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)の手術)を経験した人に多いという報告もあります。

原因

子宮腺筋症の原因はまだよく分かっていません。発生のメカニズムとしては、何らかの原因によって子宮内膜が子宮筋層内に潜り込んでしまうという説や、子宮内膜症と同じように発生するという説、もともと子宮筋層内にあった子宮内膜から発生する説があります。

症状

子宮腺筋症になってもまれに症状がないこともありますが、多くの場合で月経困難症(強い月経痛)や過多月経(経血量が多い)、不正出血、月経時以外の腹痛・腰痛などが現れます。不妊や流産早産の原因になることもあります。

月経困難症は月経に伴って子宮が大きくなることや、子宮筋層内での内膜組織の出血が原因で子宮の収縮が強くなるために起こると考えられ、月経過多や不正出血は子宮内膜の近くに発生することで起こります。

子宮腺筋症では女性ホルモンの1つであるエストロゲンの影響を受けるため、閉経を迎えるまで進行し続け症状も強くなっていきますが、閉経を迎えると軽快します。

検査・診断

まず内診で子宮の状態を確認し、子宮が大きくでこぼこがなく丸みを帯びているなどの所見がある場合に子宮腺筋症を疑い、次いで超音波検査やMRI検査が行われます。

治療

子宮腺筋症の治療には大きく薬物療法と手術があります。薬で治すことはできませんが、症状の改善が期待できるため、症状が強い場合にはまず薬物療法が行われます。薬物療法でも症状が改善せず、日常生活に大きな支障をきたしている場合に手術が検討されます。

薬物療法

一般的にはまず症状に応じた薬が用いられ、月経困難症や月経過多に対して鎮痛剤や鎮けい剤、止血剤などが用いられます。

このような薬を使っても効果が得られない場合などには、プロゲスチン製剤(内服薬)、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(内服薬)、ダナゾール(内服薬)、GnRHアゴニスト(注射薬・点鼻薬)といったホルモン剤を使用し、女性ホルモンの分泌を抑えたり病巣に直接作用したりして症状の緩和を図ります。

そのほか、黄体ホルモンを持続的に放出する器具を子宮内に留置する治療法(子宮内黄体ホルモン放出システム)が選択されることもあります。

手術

薬物療法で十分な効果がみられない場合に手術が検討されます。手術の方法として子宮腺筋症核出術、子宮内膜焼灼術(しきゅうないまくしょうしゃくじゅつ)、子宮摘出術などがあります。

子宮腺筋症核出術は子宮腺筋症の病変部分だけを切除する方法で、子どもを産むことを希望する人に行われることがあります。ただし、有用性についてはまだ十分に分かっていません。

子どもを産むことを希望しない人や閉経に近い人などには子宮内膜焼灼術や子宮全摘術が選択されます。子宮内膜焼灼術は主に子宮を残したい方を対象としたもので、マイクロ波を用いて子宮内膜や子宮筋層を壊死(えし)させます。

子宮摘出術は、その名のとおり子宮を摘出する手術です。その方法として子宮全摘出術や子宮腟上部切断術がありますが、いずれにしても子宮腺筋症が存在する子宮そのものを取り除くため、これらの中では唯一の根治治療となります。

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