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しきゅうきんしゅ

子宮筋腫

最終更新日
2020年06月17日
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2020/06/17
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

子宮筋腫とは、子宮の壁にできる良性の腫瘍(しゅよう)(しこり)のことです。子宮の壁は平滑筋という筋肉でできているため、“筋腫”と呼ばれます。悪性腫瘍(がん)のように周囲の組織を破壊しながら急激に大きくなったり、他部位に転移したりすることはありませんが、発症すると徐々に大きくなって下腹部痛や貧血などの原因になることも少なくありません。

子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けて大きくなることが知られており、女性ホルモンの分泌が盛んになる20歳代頃から発症しやすくなります。そして、閉経を迎えて女性ホルモンの分泌量が激減すると徐々に小さくなっていくことが分かっています。

また、子宮筋腫は30歳代以降の女性であれば30~40%で見られるありふれた病気です。しかし、大きくなると日常生活に支障をきたすような強い症状が現れたり、不妊症の原因になったりするため、薬物療法や手術が必要になることもあります。

原因

子宮筋腫が発生するメカニズムは現在のところ全ては解明されていませんが、その発生には遺伝子発現異常が関係すると考えられています(2020年4月時点)。

子宮筋腫はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの影響を受けて大きくなることが分かっています。妊娠中やエストロゲン投与で筋腫が大きくなること、逆にエストロゲンの分泌がない初潮を迎える前の小学生や乳幼児には見られず、エストロゲンを下げる治療や閉経によって小さくなる病気であることから、発症や発育にエストロゲンが密接に関係していると考えられているのです。

発症には遺伝も関係しているとされており、母親が子宮筋腫を発症している場合、その娘が子宮筋腫を発症するリスクは2.5倍にも上るとの報告もあります。

症状

子宮筋腫の症状は筋腫ができる部位や大きさによって大きく異なります。

一般的には、子宮筋腫は月経量が多くなり、生理痛が増強するのが特徴です。そのため、貧血になりやすく、貧血の検査を進めていく中で子宮筋腫が発見されることも少なくありません。また、筋腫が大きくなると月経時以外にも下腹部の痛みや重苦しさ、不正出血が生じ、腰痛や頻尿を伴うこともあります。

さらに、子宮の内側に向かって飛び出すように発生するケースでは不妊症の原因になることもあり、子宮の壁の中に発生するケースでは流産や早産を引き起こす原因になることも知られています。そして、子宮の外側に向かって大きくなるタイプの筋腫はこれらのような症状が現れにくいものの、筋腫の根元がねじれると激烈な痛みを引き起こし、場合によっては筋腫への血流が途絶えて壊死を引き起こすこともあります。

検査・診断

子宮筋腫が疑われる場合や病状の経過を評価する場合には、一般的に次のような検査が行われます。

内診

医師が腟から子宮や卵巣を触診して、大きさや位置、病気の有無を調べる検査です。婦人科での診察の基本となる検査であり、一定以上の大きさの筋腫であれば内診で発見することができます。

経腟超音波検査

腟内に超音波装置を挿入して、子宮や卵巣の状態を調べる検査です。内診では分からない病気を発見することができ、小さな筋腫を発見することもできます。また、筋腫の大きさなどを測定することや部位を特定することもできます。子宮筋腫と診断された後に病状の経過を調べる目的で行われる検査でもあります。

血液検査

上でも述べたとおり、子宮筋腫を発症すると貧血を引き起こすことが多いため、子宮筋腫が発見された場合は貧血の有無を確認するために血液検査を行います。

また、子宮がんなどの病気との鑑別が難しい場合は“CA125”などの腫瘍マーカーを調べることがあります。

MRI検査

大部分の子宮筋腫は超音波検査のみで診断を下すことが可能です。一方で、手術を前提に筋腫の部位を特定していく場合、卵巣にできる腫瘍やまれな悪性腫瘍の一種である子宮肉腫などと区別がつきにくい場合に、MRI検査を実施して診断を確定していくことがあります。

治療

子宮筋腫は発見されたからといって全てのケースで治療をしなければならないわけではありません。特に症状がない場合は、特別な治療をせずに定期的な検査をしながら経過を見ていくことが一般的です。

しかし、何らかの症状がある場合には次のような治療が行われます。

手術

子宮筋腫を根本的に治すには手術が必要です。

手術の方法は筋腫の大きさや数、年齢などによって異なり、その後の妊娠を希望する場合は筋腫の部分のみを摘出する“子宮筋腫核出術”が行われます。一方、妊娠の予定がない場合や筋腫がいくつもある場合などは子宮を全て摘出する“子宮全摘術”が行われます。手術のアプローチ方法は、腹腔鏡、子宮鏡、開腹、腟式などがあり、適切な方法で行われます。

そのほかに、子宮筋腫に栄養を供給している血管を人工的に詰まらせて筋腫を小さくする方法(子宮動脈塞栓術)、MRIで判断した後で超音波を筋腫に集中して当てて縮小させる方法(集束超音波療法)などの治療が行われることもあります。

薬物療法

子宮筋腫による不快な症状があるものの、閉経が近く自然に治る見込みが高い場合、危険な合併症がある場合、手術前に筋腫を小さくする場合などはエストロゲンの分泌を抑えるホルモン療法が行われます。子宮筋腫を増大させるエストロゲンの分泌が減少することで、筋腫自体は小さくなり症状も軽快していきます。一方で、骨粗しょう症のリスクが高まるため長期間の治療は推奨されていません。

また、そのほかにも子宮筋腫による下腹部痛を和らげる鎮痛剤、貧血を改善するための鉄剤など、それぞれの症状に対する薬を用いながら治療や経過観察を進めていきます。

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