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インタビュー

公開日 : 2017 年 10 月 02 日
更新日 : 2017 年 12 月 04 日

記事1『子宮腺筋症の症状や治療―激しい月経痛や過多月経が続いたら要注意!』では、子宮腺筋症の症状、診断、治療法についてお伝えしました。子宮腺筋症はホルモン療法などの保存的治療では根本的に治すことはできず、治癒に近づけるためには手術が必要です。子宮腺筋症で用いられる手術の種類や手術の選択法、手術後の妊娠などについて、引き続き熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科学 教授 片渕 秀隆先生にお聞きしました。

この記事で書かれていること

  • 手術は子宮全摘出術と子宮腺筋症縮小手術の2種類
  • 子宮腺筋症縮小手術で子宮を残した場合、子宮腺筋症が再発するリスク
  • 子宮腺筋症縮小手術を受けた場合、妊娠の可能性は残るが、流産・早産・子宮破裂のリスクもある

子宮腺筋症の手術

子宮腺筋症の手術適応-子宮全摘出術と子宮腺筋症縮小手術

子宮腺筋症を完全に治すには子宮全摘出術が最も有効な方法です。しかし、近年の晩婚化・晩産化の傾向のなかで、子宮の温存(子宮自体を残す方法)を希望する患者さんが増えています。そこで、子宮腺筋症縮小手術という子宮腺筋症の病巣のみを可能な限り取り除く方法が開発されました。ただし、子宮腺筋症の中でも子宮全体に腺筋症が広がっているタイプでは手術は困難で、一般に腺筋症の病巣が子宮の一部にとどまっている場合に適応となります。

子宮腺筋症縮小手術とは

子宮体部の筋組織内に複雑に入り込んだ腺筋症の病巣は、正常な子宮壁の筋層との境界が明らかでないため、病巣のみの摘出は難しいといわれていました。しかし、MRI検査による画像所見と手術時の触診により、正常な部分と病巣の境界をより明確にすることができるようになりました。さらに、高周波切除器が登場したことにより、複雑に入り込む子宮腺筋症の病巣を比較的容易に取り除くことができるようになりました。

子宮全体に腺筋症が広がっているタイプではこの方法を実施することが難しく、治療を受けることのできる医療機関は限られています。また、この方法は妊孕性(妊娠する可能性)を残す手術法であり、不妊症や不育症の原因として腺筋症が考えられる場合に用いられるものです。手術後に体外受精―胚移植(IVF-ET)生殖補助医療技術(ART)を用いることで、妊娠・出産を実現させることが期待されます。

子宮腺筋症縮小手術は高周波切除器を用いる場合を含め健康保険の適用にはなっていません。いずれも腺筋症の病巣を可能な限り切除するという手術内容に変わりはないのですが、高周波切除器を用いた治療法は先進医療として認定され、保険診療と併用できるようになっています。

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