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過多月経の対策には何があるの?〜原因によって対策や治療が異なる〜

過多月経の対策には何があるの?〜原因によって対策や治療が異なる〜
上田 和 先生

国際医療福祉大学三田病院 婦人科部長、国際医療福祉大学 産婦人科学教授

上田 和 先生

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過多月経とは、経血量が多いことで健康や生活に影響を及ぼす状態のことを指し、貧血や動悸、立ちくらみなどの症状が現れることもあります。一般に標準的な経血量は20〜140ml程度といわれているのに対して、140ml以上の場合に過多月経といわれます。また、過多月経にはさまざまな原因があり、なかには放置すると症状悪化や不妊につながるケースもあるため、経血の量が多いと感じる場合は放置せずに適切な対策を取る必要があります。

本記事では、過多月経が疑われる場合にどのような対策をすればよいか詳しく解説します。

過多月経の定義は、月経時の出血量が140ml以上の場合とされています。しかし、一口に過多月経といってもその原因はさまざまであり、対策方法や治療法も多岐にわたります。また、経血量を自分で正確に測定することは難しく、自己判断による対策は困難かつリスクがあるため、以下のような症状がある場合は放置せずに婦人科の受診を検討するとよいでしょう。

  • 通常のナプキンが1時間ともたないほど経血の量が多い
  • 経血にレバーのような大きい血の塊が混じっている
  • 経血の量が多く、寝具や衣服が頻繁に汚れたり仕事ができなかったりするなど生活に支障をきたす
  • 貧血による動悸、立ちくらみなどがある

月経過多の原因にはさまざまなものがありますが、主に器質的疾患*である子宮筋腫子宮腺筋症子宮内膜増殖症などの子宮の病気によって生じるといいます。子宮筋腫や子宮腺筋症の場合、医療機関ではまず薬物療法が検討され、なかでも低用量ピルが処方されることが一般的です。低用量ピルとは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を合わせた薬で、排卵を抑制し経血量を減らす作用があるため、過多月経に有効とされています。

*器質性疾患……臓器そのものにがんが発症している病気の総称

低用量ピルは喫煙とともに心筋梗塞脳卒中の発生頻度を増加させるリスクがあるため、35歳以上で1日15本以上たばこを吸う方は使用することができません。また、血管障害が発生するリスクもあるため、40歳以上で高血圧や高脂血症などに当てはまる方も使用することができません。

さらに、低用量ピルを飲むことで副作用が現れることもあります。一般的には、頭痛、吐き気、不正出血などが挙げられるほか、血栓症、心血管障害、脳卒中などの原因となることもあるといわれています。服用にあたり不安や疑問がある場合は、医師から説明を受けたうえで十分に理解してから服用しましょう。

過多月経に対してIUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)の導入が検討されることもあります。IUSとは、子宮の中に装置を入れ、装置から黄体ホルモンを持続的に放出することで子宮内膜の増殖を抑え経血量を減少させる方法です。また、子宮内膜が薄くなることで月経の回数が減り、約20%は月経が起こらなくなることもあるといわれています。さらに、IUSには避妊の効果もありますが、抜去することで再び妊娠が可能となります。

IUSの導入に伴って不正出血や下腹部痛、腰痛などの副作用が現れることもありますが、数日程度で治るのが一般的です。また、装着から1、3、6か月後、1年後、以降1年に1回以上の定期的な検診が必要となるほか、装着後5年以内に交換する必要があるため、注意が必要です。

過多月経は軽視されがちですが、放置すると不妊につながるほか、さらに症状が悪化することもあるため、経血量が多いと感じたら早めに適切な対策や治療を行う必要があります。

医療機関ではピルの処方やIUSの導入のほか、原因となっている病気に合わせた適切な治療が行われることもあります。いずれにせよ早めに適切な対策や治療を受けることが非常に重要です。気になる症状がある場合は、放置せずに婦人科受診を検討するとよいでしょう。

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