
「子宮筋腫」という言葉は多くの方が聞いたことがあるのではないでしょうか? 子宮筋腫は少ない妊娠と出産回数が原因のひとつと考えられていて、晩婚化・少子化のすすむ先進国で増えている病気です。
日本では成人女性の3人に1人はもっていると言われる子宮筋腫ですが、ひとくちに「筋腫」と言っても、筋腫がある場所や大きさ、そして引き起こされる症状は多岐にわたります。「調べてみたけどよくわらからない」という方も多いかもしれません。
今回は子宮筋腫の症状や概要など、基本的なことがらについて、婦人科の腹腔鏡手術の第一人者・堤先生にきいてみました。
子宮筋腫は下のイラストのように3つに分けられます。この分類が大切で、場所や大きさを検査し、症状を考慮した上で治療を進めていきます。
1:粘膜下筋腫
子宮粘膜の部分にこぶができます。最も浅い位置にあるため、これが不妊症や過多月経(出血量が増える)、月経困難症(月経時に痛みが強くなる)など様々な症状を引き起こします。(子宮筋腫の症状を参照)
2:筋層内筋腫
筋肉の壁の中にできます。できる場所と大きさが問題になります。場所が子宮内膜に近い、もしくはある程度大きくなってくると症状がでてくることがあります。
3:漿膜下筋腫
子宮の外側に発育していくため、かなり大きくなってもあまり症状を起こしません。気がつかない方もいるくらいです。具体的には大人の握りこぶし大くらいであれば問題ありませんが、それより大きくなると圧迫症状や違和感が出てくることがあります。閉経後には縮んでいくので、閉経まで乗り切れば一安心と考えられます。
子宮筋腫の症状として以下のようなものが挙げられます。子宮筋腫は症状がない場合には特に治療をせずに経過を観察しますが、これらの症状により日常生活に支障をきたす場合には治療を行うことも検討されます。
子宮筋腫のために月経血量が多くなって(過多月経)、その結果として貧血を引き起こすことがあります。子宮筋腫の場合、月経血量は、筋腫の増大にともなってゆるやかに増えることが多いため、貧血に気付かず、ただ「最近疲れやすくなったなあ」と感じている人もいます。
初診の患者さんに「階段を駆け上がったら息が切れませんか?」と聞くと、「どうして分かるんですか?」と聞き返されることがよくあります。その疲れやすさの原因が子宮筋腫による貧血であることがあるのです。
月経困難症は月経(生理)痛がひどくなってしまった状態のことを言い、子宮筋腫も原因のひとつになります。鎮痛剤を飲んでも日常生活や仕事に支障をきたすほどの痛みがある場合は、ホルモン治療や手術など、ほかの治療法について、医師に相談してみるとよいでしょう。
子宮筋腫が大きくなり、膀胱を圧迫してしまうと頻尿となります。また、尿道を圧迫すると尿閉を引き起こし、尿が出なくなることもあります。
子宮筋腫が原因となって不妊症となるかどうかは、筋腫のできる場所によって決まります。
子宮の内側に発生する粘膜下筋腫の場合、筋腫が子宮内腔を占拠することがあります。この場合、子宮筋腫が受精卵の着床を妨害してしまい、不妊の原因になります。
子宮の筋層の壁に発生する筋層内筋腫の場合は、不妊の原因となるかどうかは大きさと位置によります。内腔に近く、内腔に変形をきたす場合は不妊の原因になることがあります。
子宮の外側に発生する漿膜下筋腫は直接的に不妊の原因になることはありません。
通常、妊娠すると子宮は赤ちゃんの大きさによって伸縮しますが、子宮筋腫があることによってのびにくく、また縮みにくくなることがあります。結果として切迫早産になりやすかったり、産後に出血しやすくなってしまうため、子宮筋腫を指摘された方は妊娠中に注意が必要です。
山王病院(東京都) 名誉病院長
堤 治 先生の所属医療機関
周辺で子宮筋腫の実績がある医師
愛育病院 院長
愛育病院 妊娠、出産だけでなく女性の“今と未来”を守る医療を提供
港区の医療において、やさしい婦人科治療・安心安全を追求した無痛分娩など提供する愛育病院による特集です。
内科、外科、小児科、小児外科、産婦人科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、女性内科
東京都港区芝浦1丁目16-10
都営三田線「三田」A6出口 徒歩6分、JR山手線「田町」東口 徒歩7分
河北総合病院 産婦人科 医長
内科、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、神経内科、リウマチ科、リハビリテーション科、小児科、外科、呼吸器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、眼科、皮膚科、放射線科、麻酔科、糖尿病・内分泌・代謝内科、腎臓内科、消化器外科、病理診断科、臨床検査科、救急科、感染症内科、血液内科、精神科、産科、婦人科、乳腺外科、小児アレルギー科、形成外科、美容外科、脳神経内科、頭頸部外科、放射線腫瘍科、疼痛緩和内科、血液外科
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聖路加国際病院 女性総合診療部 部長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、放射線治療科、病理診断科
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国際医療福祉大学三田病院 婦人科部長、国際医療福祉大学 産婦人科学教授
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山王病院(東京都) 名誉病院長
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子宮筋腫による子宮全摘について
臀部から腿にかけて数か月痛み、整形外科を受診したところ椎間板ヘルニアと診断され、その原因がMRIを撮ったことでとても大きい子宮筋腫が原因ではないかと診断されました。 婦人科で受診したところ、子宮筋腫が多発し大きい為、子宮全摘が最善と診断を受けました。 筋腫の種類としては、筋層内・漿膜下・粘膜下全てに複数存在します。現在、セカンドオピニオンを受けるべく準備しておりますが、 実費となる為、少し躊躇しております。子宮筋腫が多発している場合、子宮全摘は一般的なのでしょうか。
今後の検査は必要ですか?
2014年に子宮筋腫の手術をしました。 2022年の検査で子宮頚部:好中球、表層型~中層型の扁平上皮細胞が認められます。明らかな異型細胞はみられません。という結果でした。 医師には今後こちらの病院での検査は出来ないので市の定期検査をしてください。と言われましたが、表層型~中層型の扁平上皮細胞が認められます。は病気ではないということでしょうか? 私としては子宮筋腫の術後のイレウスで現在も毎日不具合と痛みが続くことでこちらの病院に通うのでそのついでに1~2年に一度子宮頚部の検査をして頂きたいと思いますが、それは無理なことでしょうか? 以上、2点教えてください。
検査を早めた方が良いか
変性した8cmほどの筋腫があり、悪性の可能性を完全に否定できないとのことで大学病院にて経過観察中です。定期検診の血液検査でca125が160だったのですが、生理中(5日目)の影響だろうとのことでした。 MRI検査の期間が前回から少し空いているが、すぐ行うか半年先にするかとたずねられ、半年後に予約したのですが、上記の数値が少し高めということを後になって認識し、検査を早めた方が良いのか迷っています。 エコー検査では特に大きな変化はないと言われています。
手術後の微熱
5月中旬に子宮筋腫核出の開腹手術を受けました。術後の経過は順調で、自宅静養中です。術後3週間過ぎた頃から微熱が出たり出なかったりする状態が続いています。自宅で自己にてコロナ抗原検査キットを2回使用し陰性。術後検診を急遽行い採血でもCRPやWBCの上昇なしで、傷も綺麗。経膣エコーも問題ない状況です。ホットフラッシュのように一時的に暑くなり、衣服調整にて平熱に戻ったりします。子宮筋腫を喀出したことで、一時的に更年期障害のような症状が出たりするのでしょうか。それとも何らか病気を考えた方が良いのでしょうか。
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