
子宮筋腫の治療は、より低侵襲なものへと変化しています。子宮全摘しかなかった以前と比べ、現在は治療後に子どもを希望する女性の選択肢も広がりました。
2009年の開院以来、現在までに内視鏡下手術約5,000例を突破した福岡山王病院 名誉病院長の中村元一先生に、女性のからだにやさしい腹腔鏡下手術についてお話を伺いました。
子宮筋腫は、30歳以上の女性の20~30%にみられる、頻度の高い婦人科疾患です。自覚症状がないことも多く、検診などで筋腫が発見されることもよくあることです。
良性疾患なので、筋腫があるからといって必ずしも治療が必要というわけではありません。
治療が必要になるのは、 月経時の痛みや多量の出血などの症状によってQOL(生活の質)の低下がみられるような場合です。毎月の多量の出血で貧血を起こしたり、下腹部が圧迫されることで頻尿や便秘などの症状が現れたりすることもあります。また、子宮筋腫が原因で不妊症になることもあるため、お子さんを希望する場合にも治療が必要になってきます。
福岡山王病院では、女性のからだに負担の少ない低侵襲な治療として腹腔鏡を使った手術を行っています。腹腔鏡下手術とは、おなかに3~4か所の穴を開けて、内視鏡と呼ばれる細い管を使って、筋腫あるいは子宮を摘出する手術です。内視鏡を挿入する穴(傷)は5ミリ~15ミリ程度と非常に小さいので、 痛みが軽く、傷の治りや手術後の離床(ベッドから起き上がること)、退院や社会復帰も早いというメリットがあります。多くの患者さんによろこばれています。
腹腔鏡手術は、おなかを切って行う開腹手術と全く同じことを内視鏡を使って行う手術です。そのため、福岡山王病院では、開腹手術と同じレベルで切除したり、縫合したり、癒着を剥がしたりできるものに対してのみ腹腔鏡手術を行っています。
技術の進歩で、開腹手術と同じレベルの手術がほぼ腹腔鏡でもできるようになりました。しかし、それでも筋腫がたくさんあるなど、腹腔鏡ではできない場合があるのも現状です。筋腫のできた数でいうと、これまで最も多かったのは144個という方がおられました。こういう場合、まず腹腔鏡を使った手術を行うことはできません。
このように、たくさんの筋腫があっても子宮を温存したい方もおられます。多くは治療後にお子さんがほしいという方ですが、この場合、治療後に妊娠されて出産という時には必ず帝王切開を行います。たくさんある筋腫を、無理に腹腔鏡を使ってとったとしても、お産の際は帝王切開でおなかを切らなければならないということです。であれば、無理に腹腔鏡にこだわらずに開腹手術で筋腫を摘出して、開腹時の傷で帝王切開を行うほうが、傷がひとつですむというメリットがあります。
一方、既に子どもさんが何人かいて挙児(妊娠・出産を希望すること)を希望されない場合には、子宮の摘出手術をお勧めします。子宮を摘出すれば、症状を100%改善することができますし、再発の心配もないからです。子宮全摘を希望される場合、経産婦であれば80%以上の方が膣式の子宮全摘術あるいは、腹腔鏡下の膣式子宮全摘術を行うことが可能となります。
子宮筋腫の治療の選択肢の決め手は、子どもを希望するかどうか、です。もちろん、患者さんの希望に沿った治療を行いますので、たとえば45歳であっても子どもがほしいという希望があれば子宮は温存します。ただし、妊娠できる確率は非常に低いという説明は行います。
福岡山王病院 名誉病院長
周辺で子宮筋腫の実績がある医師
愛育病院 院長
愛育病院 妊娠、出産だけでなく女性の“今と未来”を守る医療を提供
港区の医療において、やさしい婦人科治療・安心安全を追求した無痛分娩など提供する愛育病院による特集です。
内科、外科、小児科、小児外科、産婦人科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、女性内科
東京都港区芝浦1丁目16-10
都営三田線「三田」A6出口 徒歩6分、JR山手線「田町」東口 徒歩7分
河北総合病院 産婦人科 医長
内科、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、神経内科、リウマチ科、リハビリテーション科、小児科、外科、呼吸器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、眼科、皮膚科、放射線科、麻酔科、糖尿病・内分泌・代謝内科、腎臓内科、消化器外科、病理診断科、臨床検査科、救急科、感染症内科、血液内科、精神科、産科、婦人科、乳腺外科、小児アレルギー科、形成外科、美容外科、脳神経内科、頭頸部外科、放射線腫瘍科、疼痛緩和内科、血液外科
東京都杉並区阿佐谷北1丁目7-3
JR中央線(快速)「阿佐ケ谷」 徒歩5分、東京メトロ丸ノ内線「南阿佐ケ谷」 徒歩15分
聖路加国際病院 女性総合診療部 部長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、放射線治療科、病理診断科
東京都中央区明石町9-1
東京メトロ日比谷線「築地」3a、3b、4番出口 徒歩7分、東京メトロ有楽町線「新富町」6番出口 徒歩8分、JR山手線「東京」都バス 東15番 深川車庫行 聖路加病院前下車 バス
国際医療福祉大学三田病院 婦人科部長、国際医療福祉大学 産婦人科学教授
内科、血液内科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、脳神経内科、血管外科、脊椎脊髄外科、放射線診断科、放射線治療科、頭頸部外科、病理診断科
東京都港区三田1丁目4-3
都営大江戸線「赤羽橋」赤羽橋口出口または中之橋出口 徒歩5分、東京メトロ南北線「麻布十番」3番出口 徒歩8分、都営三田線「芝公園」A2番出口 徒歩10分、JR山手線「田町」三田口出口 車5分 徒歩20分
山王病院(東京都) 名誉病院長
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科
東京都港区赤坂8丁目10-16
東京メトロ銀座線「青山一丁目」4番(南)出口 徒歩4分、東京メトロ千代田線「乃木坂」3番出口 徒歩4分
関連の医療相談が56件あります
子宮筋腫による子宮全摘について
臀部から腿にかけて数か月痛み、整形外科を受診したところ椎間板ヘルニアと診断され、その原因がMRIを撮ったことでとても大きい子宮筋腫が原因ではないかと診断されました。 婦人科で受診したところ、子宮筋腫が多発し大きい為、子宮全摘が最善と診断を受けました。 筋腫の種類としては、筋層内・漿膜下・粘膜下全てに複数存在します。現在、セカンドオピニオンを受けるべく準備しておりますが、 実費となる為、少し躊躇しております。子宮筋腫が多発している場合、子宮全摘は一般的なのでしょうか。
今後の検査は必要ですか?
2014年に子宮筋腫の手術をしました。 2022年の検査で子宮頚部:好中球、表層型~中層型の扁平上皮細胞が認められます。明らかな異型細胞はみられません。という結果でした。 医師には今後こちらの病院での検査は出来ないので市の定期検査をしてください。と言われましたが、表層型~中層型の扁平上皮細胞が認められます。は病気ではないということでしょうか? 私としては子宮筋腫の術後のイレウスで現在も毎日不具合と痛みが続くことでこちらの病院に通うのでそのついでに1~2年に一度子宮頚部の検査をして頂きたいと思いますが、それは無理なことでしょうか? 以上、2点教えてください。
検査を早めた方が良いか
変性した8cmほどの筋腫があり、悪性の可能性を完全に否定できないとのことで大学病院にて経過観察中です。定期検診の血液検査でca125が160だったのですが、生理中(5日目)の影響だろうとのことでした。 MRI検査の期間が前回から少し空いているが、すぐ行うか半年先にするかとたずねられ、半年後に予約したのですが、上記の数値が少し高めということを後になって認識し、検査を早めた方が良いのか迷っています。 エコー検査では特に大きな変化はないと言われています。
手術後の微熱
5月中旬に子宮筋腫核出の開腹手術を受けました。術後の経過は順調で、自宅静養中です。術後3週間過ぎた頃から微熱が出たり出なかったりする状態が続いています。自宅で自己にてコロナ抗原検査キットを2回使用し陰性。術後検診を急遽行い採血でもCRPやWBCの上昇なしで、傷も綺麗。経膣エコーも問題ない状況です。ホットフラッシュのように一時的に暑くなり、衣服調整にて平熱に戻ったりします。子宮筋腫を喀出したことで、一時的に更年期障害のような症状が出たりするのでしょうか。それとも何らか病気を考えた方が良いのでしょうか。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「子宮筋腫」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。