
女性の社会進出や晩婚化、さらには高年齢での出産など、女性を取り巻く環境は大きく変わりました。それに伴い子宮筋腫や子宮内膜症など婦人科疾患も増加傾向にあるようです。医療技術の進歩でからだに負担の少ない手術法が普及しています。とはいっても、重要なことは患者さんが安心して受けられるということです。
2009年の開院から2015年8月には腹腔鏡手術の症例数が5,000例を突破した福岡山王病院 名誉病院長の中村元一先生に、患者さんにとって安心できる腹腔鏡手術についてお話を伺いました。
子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣のう腫は、婦人科疾患の中でももっとも多くみられます。筋腫はできた位置や個数などによって症状が異なりますので、必ずしも全て治療が必要というわけではありません。
手術が必要かどうかは、症状によって判断します。筋腫が大きくても、子宮の外側にできる漿膜外筋腫はほとんど症状がないので、手術をする必要はありません。一方、月経の時の出血量が多くて貧血がひどいとか、生理痛が非常に重いなどで日常生活に困っているような時には手術を勧めます。そして、治療法の選択で決め手となるのは、これから子どもがほしいかどうかということです。
既にお子さんが何人もいて、子どもはいらないという方の場合、私は子宮の全摘を勧めます。その方が、症状が100%消失しますし、再発もありません。子宮頸がんや体がんの可能性もゼロになります。(頸部を残す術式を行っているし施設では頸がんの可能性が残りますが、福岡山王病院では全摘しますので、このような可能性はゼロになります。)さらに、更年期障害に行うホルモン補充療法も非常に楽に行うことができるなどのメリットが大きいと考えるからです。
一方、治療の後に子どもを希望される方には子宮を残す手術を行います。子どもがほしいのに他の施設で全摘を勧められたという方もたくさん来られます。中には筋腫が100個以上ある方もおられます。そんな場合でも、患者さんが子宮を残したいというのであれば、希望に応じて残す治療を行います。
福岡山王病院では、おなかをできるだけ切らない、からだにやさしい手術として腹腔鏡下手術を多く行っています。2009年に開院してから今年2015年の8月までに手術の症例数およそ5.000例を超えました。
腹腔鏡手術とは、おなかに0,5~1.5センチほどの穴を3~4か所あけ、そこから内視鏡を挿入して行う手術です。当院では通常、おなかの傷はおへそのくぼみに1か所と左右の下腹部に2か所のトータル3か所で行います。
傷が小さいので、痛みが少なく、入院期間も短いため社会復帰が早いなどの利点があります。
基本的に、確認できる筋腫はすべて摘出しますが、10ミリ未満の小さなものは確認することが難しいため、摘出できない場合もあります。また逆に、筋腫の大きさが10センチ以上もあるようなものについては、腹腔鏡手術は行いません。ただし、10センチ以上の筋腫でも、手術の前にGn-RHアゴニストというホルモン剤を使用することで筋腫が小さくなることがありますので、最終的な筋腫の大きさが10センチであれば行います。
その他、筋腫の数が多い場合にも腹腔鏡手術の適応にはなりません。これまで最高で筋腫の数が144個という方がおられましたが、このように多数の筋腫がある場合は開腹手術を行います。また、癒着といって子宮と周辺の組織などがくっついて剥がすのが大変な場合なども、腹腔鏡手術の適応にはなりません。
これまで何千という多くの腹腔鏡手術を行ってきましたので、例えばたくさんの筋腫があっても取ることができるという自信はあります。しかし、無理に腹腔鏡手術を行うことはありません。患者さんにとって一番いい手術、患者さんにとって安全な手術が一番だと考えるからです。
福岡山王病院 名誉病院長
周辺で子宮筋腫の実績がある医師
愛育病院 院長
愛育病院 妊娠、出産だけでなく女性の“今と未来”を守る医療を提供
港区の医療において、やさしい婦人科治療・安心安全を追求した無痛分娩など提供する愛育病院による特集です。
内科、外科、小児科、小児外科、産婦人科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、女性内科
東京都港区芝浦1丁目16-10
都営三田線「三田」A6出口 徒歩6分、JR山手線「田町」東口 徒歩7分
河北総合病院 産婦人科 医長
内科、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、神経内科、リウマチ科、リハビリテーション科、小児科、外科、呼吸器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、眼科、皮膚科、放射線科、麻酔科、糖尿病・内分泌・代謝内科、腎臓内科、消化器外科、病理診断科、臨床検査科、救急科、感染症内科、血液内科、精神科、産科、婦人科、乳腺外科、小児アレルギー科、形成外科、美容外科、脳神経内科、頭頸部外科、放射線腫瘍科、疼痛緩和内科、血液外科
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JR中央線(快速)「阿佐ケ谷」 徒歩5分、東京メトロ丸ノ内線「南阿佐ケ谷」 徒歩15分
聖路加国際病院 女性総合診療部 部長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、放射線治療科、病理診断科
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国際医療福祉大学三田病院 婦人科部長、国際医療福祉大学 産婦人科学教授
内科、血液内科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、脳神経内科、血管外科、脊椎脊髄外科、放射線診断科、放射線治療科、頭頸部外科、病理診断科
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山王病院(東京都) 名誉病院長
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科
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子宮筋腫による子宮全摘について
臀部から腿にかけて数か月痛み、整形外科を受診したところ椎間板ヘルニアと診断され、その原因がMRIを撮ったことでとても大きい子宮筋腫が原因ではないかと診断されました。 婦人科で受診したところ、子宮筋腫が多発し大きい為、子宮全摘が最善と診断を受けました。 筋腫の種類としては、筋層内・漿膜下・粘膜下全てに複数存在します。現在、セカンドオピニオンを受けるべく準備しておりますが、 実費となる為、少し躊躇しております。子宮筋腫が多発している場合、子宮全摘は一般的なのでしょうか。
今後の検査は必要ですか?
2014年に子宮筋腫の手術をしました。 2022年の検査で子宮頚部:好中球、表層型~中層型の扁平上皮細胞が認められます。明らかな異型細胞はみられません。という結果でした。 医師には今後こちらの病院での検査は出来ないので市の定期検査をしてください。と言われましたが、表層型~中層型の扁平上皮細胞が認められます。は病気ではないということでしょうか? 私としては子宮筋腫の術後のイレウスで現在も毎日不具合と痛みが続くことでこちらの病院に通うのでそのついでに1~2年に一度子宮頚部の検査をして頂きたいと思いますが、それは無理なことでしょうか? 以上、2点教えてください。
検査を早めた方が良いか
変性した8cmほどの筋腫があり、悪性の可能性を完全に否定できないとのことで大学病院にて経過観察中です。定期検診の血液検査でca125が160だったのですが、生理中(5日目)の影響だろうとのことでした。 MRI検査の期間が前回から少し空いているが、すぐ行うか半年先にするかとたずねられ、半年後に予約したのですが、上記の数値が少し高めということを後になって認識し、検査を早めた方が良いのか迷っています。 エコー検査では特に大きな変化はないと言われています。
手術後の微熱
5月中旬に子宮筋腫核出の開腹手術を受けました。術後の経過は順調で、自宅静養中です。術後3週間過ぎた頃から微熱が出たり出なかったりする状態が続いています。自宅で自己にてコロナ抗原検査キットを2回使用し陰性。術後検診を急遽行い採血でもCRPやWBCの上昇なしで、傷も綺麗。経膣エコーも問題ない状況です。ホットフラッシュのように一時的に暑くなり、衣服調整にて平熱に戻ったりします。子宮筋腫を喀出したことで、一時的に更年期障害のような症状が出たりするのでしょうか。それとも何らか病気を考えた方が良いのでしょうか。
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