インタビュー

子宮筋腫になりやすい年齢は? 筋腫ができる場所は? 専門医に聞く7つの疑問

子宮筋腫になりやすい年齢は? 筋腫ができる場所は? 専門医に聞く7つの疑問
堤 治 先生

山王病院(東京都) 名誉病院長

堤 治 先生

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この記事の最終更新は2015年05月19日です。

子宮筋腫は成人女性の3人に1人がもっていると言われます。しかし、ひとりひとり筋腫のできる場所や症状などは異なり、よくある病気ではあっても、通り一遍の説明でよい疾患ではありません。いざ病院に行っても、何を聞いていいか分からなかったり、また聞きたいと思っても、混雑している病院では、聞けずに終わってしまった方も多いのではないでしょうか。

今回は、子宮筋腫についての気になる疑問に、婦人科の腹腔鏡手術の第一人者・堤先生に聞いてみました。

子宮筋腫の初診時の年齢は20代半ばから40代まで幅広いですが、平均して最も多いのは30代半ばでしょう。私の観た患者さんの中で最年少の方は20代前半ですが、世界的には10代でも筋腫になる例もあります。

子宮筋腫は、子宮の外側に発生する漿膜下(しょうまくか)筋腫、子宮の筋層の壁に発生する筋層内(きんそうない)筋腫、および子宮の内側に発生する粘膜下(ねんまくか)筋腫があります。

このうち粘膜下筋腫が症状が出やすく発見されやすいため、患者さんの数は最も多いのですが、発生数自体は筋層内筋腫が最も多いと考えられます。

子宮筋腫

子宮筋腫の場合、筋腫の大きさが同程度であっても、筋腫のできる部位によって症状が異なります。粘膜下筋腫では1cm以下でも大変症状が重いこともありますが、筋層内筋腫では4cmほどから症状がみられることが多いです。漿膜下筋腫では、5〜10cmほどまで大きくなると子宮が圧迫され症状がでてきます。

はっきりとした遺伝の形式は分かっていないのですが、親族に筋腫の人が多いと筋腫になりやすいとは言われています。

実は子宮筋腫は、妊娠出産をすることが予防になります。少し前まで、医師が患者さんに「早く妊娠したほうが良いよ」などと言って問題になることがあったのですが、それにはこうした理由があったのです。

しかし日常生活では、残念ながら子宮筋腫の確かな予防方法はありません。子宮筋腫は女性ホルモンの一種・エストロゲンによって引き起こされる疾患なので、予防法としてはエストロゲンを下げる偽閉経療法などが考えられます。しかし副作用もあり、薬代もかかりますし、なかなか費用対効果を考えると現実的ではありません。

筋腫が大きくなるかどうかは、その性質によって異なります。急激に大きくなってきた筋腫の場合は、悪性腫瘍の可能性があるため、1年に1回ほど定期的に検査をする必要があります。悪性の腫瘍である可能性がある腫瘍の成長の目安は「1年に2倍」程度です。

子宮筋腫は月経に関連するエストロゲンによって引き起こされる疾患のため、閉経したら筋腫は縮みます。しかし念のため1年に1回の定期健診に通うと良いでしょう。閉経後に子宮筋腫が大きくなってきたら、悪性の腫瘍である肉腫ができたなど、何か問題があるかもしれません。

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