
子宮筋腫は婦人科良性腫瘍の中では最もよくみられるもので、3人にひとりは持っているとも言われています。ただし良性の腫瘍とは言っても、大きくなってしまうとひどい月経痛を引き起こしたり、妊娠・分娩時の妨げになったりします。また、個人のライフスタイルや症状に合わせて治療法の選択が難しいのも子宮筋腫の特徴です。
今回は子宮筋腫の治療について、実際のところはどうなのか、婦人科の腹腔鏡手術の第一人者・気になる疑問を堤先生に聞いてみました。
低用量ピルを服用して筋腫が大きくなる方もいますが、それほど多くはなく、また大きくなっても神経質になるほどではないでしょう。
ピルには筋腫の縮小効果をもつプロゲステロンと増大効果があるエストロゲン、どちらも入っているため、人によって効果は異なってくるのです。
ピルを多く処方する医師も、そうでない医師もいるので、少しばらつきがあります。私の場合は、ピルでは子宮筋腫の根本治療にはならないため、あまり出さないようにしています。私が子宮筋腫の患者さんにピルを処方するのは約5-10%程度です。
一方、子宮内膜症などの場合は根本治療に繋がる可能性が高いため、もう少し多く処方しています。
保険適応のピルをお勧めしています。今はノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合製剤とドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠の2種類が主な選択肢で、患者さんと相談してどちらの薬を選ぶかを決めています。服薬回数が異なり、ノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合製剤は21日間服用7日間休薬、ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠は24日間服用4日間休薬です。ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠の効果は高いのですが、副作用で血栓の報告があったため、不安な患者さんはノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合製剤に戻したりすることもあります。
おおよそ3分の1から半分の患者さんは手術をしている印象です。ただし私の元には腹腔鏡手術を望む患者さんが多くいらっしゃるため、手術の割合が多くなっています。
昔から、産婦人科の先生はこのように説明するように指導されてきました。私は患者さんにこのような説明はしていませんが、慎重な先生の中には説明している先生もいるようですね。
不安になって「子宮全体を摘出する可能性もありますか」と尋ねる患者さんもいらっしゃいますが、「私は30数年間1度も子宮筋腫核出の手術で子宮摘出に至ったことはありませんよ」と説明しています。
インフォームドコンセントとは、「100回に1回起こりうることは説明する」という目安がありますが、このような事例は万に1回のことなので、私は患者さんが不安にならないよう、聞かれなければ説明を控えるようにしています。
安全性に差はありません。手術時間は多少、腹腔鏡の方が長くかかる場合がありますが、術後の合併症や手術時の大出血などはほとんど差がありません。
ただし痛みや入院期間や術後の癒着などには差があり、腹腔鏡の方が痛みが少なく、入院期間も半分以下で、術後の癒着も少ないとされています。
子宮全体を摘出をすると、当然月経はなくなります。しかし、卵巣は原則として温存しているため、本来の閉経まで卵巣は働き続けます。
動脈塞栓術は、近年症例数も増え、保険適応になりました。FUSはまだ治療成績などの件数が少なく、試験的な治療法のため、保険が適応されていない状況です。
山王病院(東京都) 名誉病院長
堤 治 先生の所属医療機関
周辺で子宮筋腫の実績がある医師
愛育病院 院長
愛育病院 妊娠、出産だけでなく女性の“今と未来”を守る医療を提供
港区の医療において、やさしい婦人科治療・安心安全を追求した無痛分娩など提供する愛育病院による特集です。
内科、外科、小児科、小児外科、産婦人科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、女性内科
東京都港区芝浦1丁目16-10
都営三田線「三田」A6出口 徒歩6分、JR山手線「田町」東口 徒歩7分
河北総合病院 産婦人科 医長
内科、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、神経内科、リウマチ科、リハビリテーション科、小児科、外科、呼吸器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、眼科、皮膚科、放射線科、麻酔科、糖尿病・内分泌・代謝内科、腎臓内科、消化器外科、病理診断科、臨床検査科、救急科、感染症内科、血液内科、精神科、産科、婦人科、乳腺外科、小児アレルギー科、形成外科、美容外科、脳神経内科、頭頸部外科、放射線腫瘍科、疼痛緩和内科、血液外科
東京都杉並区阿佐谷北1丁目7-3
JR中央線(快速)「阿佐ケ谷」 徒歩5分、東京メトロ丸ノ内線「南阿佐ケ谷」 徒歩15分
聖路加国際病院 女性総合診療部 部長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、放射線治療科、病理診断科
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国際医療福祉大学三田病院 婦人科部長、国際医療福祉大学 産婦人科学教授
内科、血液内科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、脳神経内科、血管外科、脊椎脊髄外科、放射線診断科、放射線治療科、頭頸部外科、病理診断科
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都営大江戸線「赤羽橋」赤羽橋口出口または中之橋出口 徒歩5分、東京メトロ南北線「麻布十番」3番出口 徒歩8分、都営三田線「芝公園」A2番出口 徒歩10分、JR山手線「田町」三田口出口 車5分 徒歩20分
山王病院(東京都) 名誉病院長
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科
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子宮筋腫による子宮全摘について
臀部から腿にかけて数か月痛み、整形外科を受診したところ椎間板ヘルニアと診断され、その原因がMRIを撮ったことでとても大きい子宮筋腫が原因ではないかと診断されました。 婦人科で受診したところ、子宮筋腫が多発し大きい為、子宮全摘が最善と診断を受けました。 筋腫の種類としては、筋層内・漿膜下・粘膜下全てに複数存在します。現在、セカンドオピニオンを受けるべく準備しておりますが、 実費となる為、少し躊躇しております。子宮筋腫が多発している場合、子宮全摘は一般的なのでしょうか。
今後の検査は必要ですか?
2014年に子宮筋腫の手術をしました。 2022年の検査で子宮頚部:好中球、表層型~中層型の扁平上皮細胞が認められます。明らかな異型細胞はみられません。という結果でした。 医師には今後こちらの病院での検査は出来ないので市の定期検査をしてください。と言われましたが、表層型~中層型の扁平上皮細胞が認められます。は病気ではないということでしょうか? 私としては子宮筋腫の術後のイレウスで現在も毎日不具合と痛みが続くことでこちらの病院に通うのでそのついでに1~2年に一度子宮頚部の検査をして頂きたいと思いますが、それは無理なことでしょうか? 以上、2点教えてください。
検査を早めた方が良いか
変性した8cmほどの筋腫があり、悪性の可能性を完全に否定できないとのことで大学病院にて経過観察中です。定期検診の血液検査でca125が160だったのですが、生理中(5日目)の影響だろうとのことでした。 MRI検査の期間が前回から少し空いているが、すぐ行うか半年先にするかとたずねられ、半年後に予約したのですが、上記の数値が少し高めということを後になって認識し、検査を早めた方が良いのか迷っています。 エコー検査では特に大きな変化はないと言われています。
手術後の微熱
5月中旬に子宮筋腫核出の開腹手術を受けました。術後の経過は順調で、自宅静養中です。術後3週間過ぎた頃から微熱が出たり出なかったりする状態が続いています。自宅で自己にてコロナ抗原検査キットを2回使用し陰性。術後検診を急遽行い採血でもCRPやWBCの上昇なしで、傷も綺麗。経膣エコーも問題ない状況です。ホットフラッシュのように一時的に暑くなり、衣服調整にて平熱に戻ったりします。子宮筋腫を喀出したことで、一時的に更年期障害のような症状が出たりするのでしょうか。それとも何らか病気を考えた方が良いのでしょうか。
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